工藤監督「僕の考えが分かる」難敵左腕攻略につなげた犠打に「コーチの域」

西日本スポーツ 山田 孝人

〈鷹番が見た〉

 ◆ソフトバンク6-0オリックス(12日、ペイペイドーム)

 強いチームには、指揮官の意図をくみ確実に遂行できるバイプレーヤーがいる。その存在を強く感じたのが5回の攻撃だった。オリックス先発の左腕田嶋にわずか1安打と封じられ、点を奪えないまま迎えたこの回。川島の左翼線二塁打と周東の四球などで1死一、二塁と先制機が訪れた。

 打席にはベテランの高谷が入り、初球の外角スライダーでバントの構えを見せた。その様子を見て、送りバントのサインを出そうとしていた工藤監督は静観の構えに転じた。結果は3球目のカットボールを一塁寄りへ転がして2死二、三塁に。そうして、松田宣の左前への2点打が生まれた。

 試合後の工藤監督は適時打を放った松田宣と同様に高谷を激賞した。自身の意向をきっちりと理解して、結果を残したのだから当然だろう。「二、三塁になれば(田嶋に)プレッシャーがかかるだろうと考えたのはさすがベテランだなと。三塁に走者がいけばショートバウンドも投げにくい。そういうこともあってプッシュバントをしたんだろう」と深くうなずいた。

 田嶋には前回対戦した7月18日の試合で黒星こそ付けたが、8回で2点しか奪えず苦しめられた。「プロ野球選手である限りは、やられたらやり返すという強い気持ちを持って」。そう常に口にする工藤監督にとっては、今後のペナントレースを見据えても攻略は必須だったはず。だからこそ、戦略上の意図もシーズンを戦う上での信念も含めて「体現」した高谷を手放しでたたえたのだろう。

 「チームを考えた素晴らしいプレーだった。だんだんコーチの域に達してきたかな。僕の考えが分かるんだからね。経験がないとできない。本当に大きかった」。3連勝で貯金は今季最多タイの7。一方で首位の座は楽天と同率のままで変わらない。一層激しくなることが予想される争いの中で“首脳陣級”のお墨付きを得た男の存在が心強い。 (山田孝人)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ