勝ち越し打のソフトバンク周東 奮起を呼んだハワイでの出来事

西日本スポーツ 倉成 孝史

 ◆ソフトバンク3-1オリックス(13日、ペイペイドーム)

 取られたら、取り返す。しかも「倍返し」で。好調な打線が、簡単に試合をひっくり返した。大竹が初回に1失点したが、2回先頭の今宮が同点ソロ。それだけで終わらない。1死後に甲斐が四球を選び出塁。松田宣は倒れ2死となったが、1番に入った周東が、1ボールから張奕の内角直球を捉えると、鋭い打球は中堅右を破った。

 「(甲斐)拓也さん一生懸命走ってくれと思いながら」グングン加速しながらダイヤモンドを駆けるうちに、一走の甲斐が生還。「(拓也が)周東君に抜かれるんじゃないかと冷やかされてましたけど」と工藤監督も笑ったように、打った本人は楽々と三塁を陥れた。勝ち越しの適時三塁打。「何とかつないで柳田さんに回そうと思った。追い付いた後にすぐ勝ち越せてよかった」。打のヒーローが話したように、追い付くだけでなく一気に勝ち越したことで、このスリーベースが自身今季初のV打となり、育成同期入団の大竹の白星もアシストした。

 武器を生かし、このまま一気のレギュラー取りを狙う。昨季は主に代走として25盗塁を記録。俊足を買われ、秋には侍ジャパンにも選出された。そこでも俊足を披露し、オフには今夏に予定されていた五輪出場への期待の声も多く耳に入った。ただ、そんな声とは裏腹に、自身の置かれた位置は理解していた。V旅行で訪れたハワイでは、名球会イベントで同地を訪れていた球界のレジェンドと街中ですれ違ってもまったく気づかれないこともあった。

 「チームでレギュラーを取らないと五輪なんて無理」。1月の自主トレでは今宮に弟子入りし打撃と守備を磨いたが、今季も開幕直後は代走や外野の守備固めでの途中出場が主だった。それでも7月10日の楽天戦でDHに入った今宮の代役としてプロ初の遊撃でスタメン出場。少ないチャンスをものにし、二塁での出場も増え、直近20試中18試合で先発を任されている。

 シーズン序盤は出場機会も少なかったため、今季初盗塁も7月24日の日本ハム戦と遅かったが、この日も四球で出塁した初回に二盗を決め、最近5試合で6盗塁と本来の持ち味も存分に発揮している。「自分で塁に出て盗塁もして点に絡むことが求められていること。いまがチャンス。そうチャンスは多くない」。エンジンがかかってきた韋駄天(いだてん)が、このまま定位置をつかみ、その武器でチームをさらに勢いづかせる。 (倉成孝史)

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