打率1割台…それ以上に辛いのは「それでも出続けられる」チーム状況

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク4-1オリックス(14日、ペイペイドーム)

 いやいや、そんなところで目立たなくても…。正直、そう思ってしまった。8回。走攻守すべてにおいて規格外な柳田が、一振りで試合を決めた直後だ。

 一塁側ベンチ前ではヒーローの“帰還”を待ちわびたナインが、歓喜の肘タッチで喜びを分かち合っていた。その最後尾。高谷とともに小躍りしながら柳田を出迎え、カメラに向かってポーズを取っていたのは、この試合で先発落ちしていたバレンティンだった。

 その光景を見ていると、打撃不振で実力を発揮しきれていない現状に気持ちを切らしていないことは伝わってきた。それは首脳陣にとっても一つの安心材料となっていることだろう。

 一方で、願わくば一日も早く本来の打撃を取り戻し、常時スタメンで出られる状態に戻してくれという思いもあるに違いない。通算296本塁打の実力者が打率1割8分8厘に沈む現状は、やはり寂しすぎる。

 寂しすぎるといえば、こちらも再び危険水域に突入した松田宣だ。14日の試合も3打数無安打に終わり、打率は3日ぶりに1割台(1割9分7厘)に落ち込んだ。今季48試合目。シーズンが3分の1を過ぎた状況の数字としては、実績のある男だけにつらすぎる。

 ただ、それ以上につらいのはこの状態でも松田宣が試合に出続けられるチーム状況ではなかろうか。工藤監督が「結果重視」を打ち出してスタートした今季。指針通りに内川は栗原の台頭もあり、ここまで2軍暮らしが続くが、松田宣は自身を脅かす存在がいないことで“安泰”の日が続く。

 この日も「そう来たか」と驚かされるシーンがあった。柳田の決勝3ランが出る前段だ。先頭の明石が四球で出塁し、8番甲斐、9番松田宣と続く場面。ここはいかにして1点を奪いにいくか注視していたが、ベンチは甲斐に犠打を指示し、大不振の松田宣に託した。結果は三振だった。

 この勝負どころについて工藤監督は「代打も考えたけど、万が一、松田君、(1番の)上林君で終わったとしても(9回は)柳田君から始まるというのもあった。守りも考えたら(代打は)やめておこうと思い、送り出した」と明かした。要するに、打撃を期待しての「松田宣勝負」ではなかったということだろう。

 この日、2軍ではグラシアルが今季初実戦に臨んだが、左翼での先発だった。1軍では即三塁起用の考えはない証しだろう。長い目で見ると、これはチームにとっても、松田宣にとってもマイナスな気がしてならない。 (石田泰隆)

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