ソフトバンクらしくない…固定観念が招いたマズいプレー

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ロッテ2-2ソフトバンク(19日、ZOZOマリンスタジアム)

 サヨナラ負けを覚悟した。延長10回1死一、二塁のピンチ。弱冠21歳の相手4番安田が捉えた球は、強烈なライナーとなって右翼方向に飛んだ。万事休す-。そう思った瞬間だった。

 9回に代打で出場し、そのまま一塁を守っていた明石が自身の右を襲ったライナーに飛び付いた。打球がファーストミットに収まる超美技で2死となり、7番手で登板していた板東がその後のピンチもしのいで引き分けに持ち込んだ。試合時間は今季チーム最長の4時間12分だった。

 試合後、工藤監督もサヨナラ負けの危機から救った明石の美技に「よく捕りましたよ。ああやって最後までボールを見ているから(打球がミットから)落ちない。しっかり集中している姿というのは、見ていて、みんなの頑張りを感じました」と脱帽していた。

 ここ一番でこういうプレーが出る。それが近年ホークスが強さを示し続けられる最大の理由ではなかろうか。同点で迎えた9回もそうだった。守護神森が先頭打者に四球を与えた直後。相手はサヨナラ勝ちを狙い、当然のように犠打で走者を進めようとしてきた。

 打者田村のバントは一塁側ベンチ方向へのフライとなった。こちらは完全にファウルと思い込み、スコアブックに記入するところだったが、素早く反応したこちらも途中出場の甲斐が懸命に飛び付き、最後はミットの先に引っかけるような形で好捕。ピンチ拡大の芽を摘み、執念で延長戦に持ち込んだ。

 だからこそ、初回のワンプレーが非常にもったいなく、ホークスらしからぬ“不手際”に映った。いくら一塁走者・和田がスタートを切っていたとはいえ、乱れのない中継プレーを見せながら、単打で生還されるプレーは、絶対にあってはならない。

 工藤監督も反省を促していた。「固定観念というか、三塁には行かれるけど、本塁には行かれないだろうという思いが(プレーに関わった中堅手の柳田と二塁手の周東に)あったんじゃないかな。外野はなるべくすぐにカットに返す。カットマンもランナーの足を考えてホームに返す準備をする。そういう準備が大事と思う」。当然の指摘だ。

 今季も黒星が先行する苦手ロッテに2点先取しながら、直後にマズい中継プレーで1点を返された。延長10回ドローの引き金は、意外にも初回のワンプレーにあったのではなかろうか。 (石田泰隆)

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