ヒーローになり損ねたが…ソフトバンク栗原、ミス後に見せた勝負強さ

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ロッテ5-4ソフトバンク(20日、ZOZOマリンスタジアム)

 鬼門でヒーローになるはずだった。2試合連続の延長戦に突入したZOZOマリンスタジアム。10回2死二、三塁のチャンスで栗原は首位チームの4番として試合を決めにかかった。マウンドにはロッテの守護神益田ではなくフローレス。1ボール1ストライクからの3球目、内角に食い込んでくるスライダーを引っ張った。

 詰まりながらも、打球は右前に落ちる。栗原が打った瞬間にスタートを切った二走の周東も悠々と生還し、一時は2点を勝ち越すタイムリーになった。「延長のあの場面のチャンスで打てたことは良かった」。その裏に惨劇が待ち受けることなど知るよしもないこの至福の時、栗原に笑みがはじけた。

 得点圏打率はリーグトップの4割2分。勝負強さは健在だ。4回は先頭で岩下の146キロを中越えのフェンス直撃の二塁打とし得点機を演出すれば、6回先頭ではフォークを捉えて左前打。「4番目の打者だと思っている」と謙遜するが、2試合ぶりの4番に復帰し、猛打賞をマークする存在感を示した。

 接戦ではワンプレーが勝敗を大きく左右することもある。6回1死二、三塁の場面。栗原は三走だったが、相手左翼がスライディングキャッチした松田宣の左飛でタッチアップを狙う判断ができず、ホームを突くことができなかった。

 ブレーク中の24歳は今季全53試合に出場している。一塁や外野など本職の捕手ではないポジションを守り、知らぬ間に神経をすり減らして集中力を維持するのが難しい状況が続く。工藤監督はその苦悩をおもんぱかる。「いくら今まで野球をやってきても、プロの景色や、緊張感、初めてフルで出ている中でいろんな状況が頭に入っていかない。これは教えていかないといけない、僕らの責任」。ただ、その“ミス”を自らのバットで取り返した6年目を「そういう中でも(延長10回に)詰まりながらでも落としたのは、さすがです」とたたえた。

 折り返しを迎えようとしている混戦模様のシーズン。戦いながらでも経験値を上げ、成長を止めない「4番目の男」は、ふさわしいオーラを漂わせ始めている。 (鎌田真一郎)

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