今宮離脱はショッキングだが…早期復帰より大事にしてもらいたいこと

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ロッテ5-4ソフトバンク(20日、ZOZOマリンスタジアム)

 勝負はげたを履くまで分からない、か。延長10回。4番に座る栗原の一打で2点を勝ち越した。1点ではない。2点だ。これで大方、勝負はついたと思った。

 その裏。ロッテ最後の攻撃。ホークスはモイネロ、森を使い切っていたため、泉をマウンドに送った。まだまだ経験が浅いとはいえ、勝利まであと1死というところまでこぎつけた。

 しかも、無死一、二塁のピンチで三ゴロ併殺打と、流れ的には九分九厘勝利を手中に収めたと思った。そこからの暗転だ。しかも、走者一、二塁からの暴投の間にサヨナラ負け。こんな負け方はなかなか見ない。

 試合後の工藤監督も、さすがにショックを隠せなかった。囲み取材の場に姿を現すなり、頭を下げて「すいませんでした」。さらに質問を投げ掛けられても「え~、はい。そうですね。う~ん」と数秒間は言葉が見つからなかった。負け方が負け方だけに、21日以降の試合に尾を引きずらないことを願うばかりだ。

 そんな中、この日はチームのサヨナラ負けと同等か、それ以上とも思えるショッキングなニュースがあった。今宮の戦線離脱だ。まだ、病院で精密検査を受けておらず、正式な診断は出てないが、球団発表によると「左ふくらはぎ痛」とのことだった。工藤監督は「筋損傷」の疑いも指摘していた。故障箇所が故障箇所だけに、最悪の場合は1カ月以上の離脱も覚悟しなければならないだろう。

 これは痛いなんてもんじゃない。今季は「もう一回、守備を見直す」と自らに言い聞かせ、体重5キロ減でシーズンイン。その効果はプレーにあらわれ、三遊間への深い打球を軽快にさばく姿を幾度となく見せ、チームを救ってきた。「今年は動けている。野球が楽しい」。守備で生きてきた男だからこそ、本来の自分を取り戻した事実がうれしくてたまらない様子だった。

 一方で、右肩の不調や背中の張りなど満身創痍(そうい)の状態でもあったことを考えると、早期復帰など考えずに、とにかく自分のために、万全の体を取り戻すことに全力投球してほしいという思いも募る。

 もちろん、ここまでリーグ最少タイの1失策と抜群の安定感を誇る遊撃手が不在となるのは心もとないが、7月に29歳となったばかりだ。まだまだホークスの遊撃手として、若い選手の高い壁であり続けてほしい。痛恨のサヨナラ負けを喫した夜。いろいろな思いが交錯する夜にもなった。 (石田泰隆)

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