「ライオンキング」復活で「心配ないさ~」栗原の2発でホークス通算8888号

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆ソフトバンク9-1日本ハム(28日、ペイペイドーム)

 チームもこの男も末広がりの予カーン! ソフトバンクが今季3度目の6連勝挑戦で初の快勝だ。6年目の栗原陵矢捕手(24)が初回に自身初の2桁アーチとなる10号2ラン。球団通算8888号でチームを活気づけると、6回にはこれも自身初となる1試合2発目の11号ソロを放った。短縮シーズン折り返しの60試合目で貯金は今季最多の12。この勢い、まだまだ広がっていきそうだ。

 むき出しにした牙でがぶりと獲物にかみついた。初回、1点を勝ち越した直後の1死二塁、栗原が金子の内角カットボールを仕留めた。右翼スタンドに着弾したのを確認すると、百獣の王のごとく威風堂々とグラウンドを一周。昨季まで5年でわずか1本塁打だった24歳が、初めてシーズン2桁に乗せる10号2ランで成長の証しを刻んだ。

 「正直、ここまで打てるとは思っていなかった。9号を打ってから、次の1本を早く打ちたいと思っていた」。自身4試合ぶりのこのアーチが球団通算8888号。縁起のいい八並びの数字に「そうだったんですか。そういう日に打てたのはうれしいですね」と笑みを浮かべた。

 “狩り”はまだ終わらない。6回の第4打席、村田の直球がまたも内角へ。格好の標的に思わず舌なめずりすると、1本目のリプレーのようなスイングで再び右翼席に放り込んだ。1試合2本塁打も自身初。「2ボールだったので真っすぐにしぼっていた。最高の結果になった」。狙った獲物を逃さないのは優秀なハンターの証しだ。

 「ライオンキング」が戻ってきた。今季、栗原が打席の登場曲に使用しているのが、ディズニー映画や劇団四季の舞台で有名なライオンキングの挿入歌「サークル・オブ・ライフ」。打席で空振りした際にはベンチから「心配ないさー」の掛け声が飛ぶなど定着しつつあったが、7月中旬から約3週間“封印”した。

 「気分転換ですね」。その期間は5戦連続、その前後も合わせ計24打席連続無安打とトンネルに迷い込んでいた時期と重なる。それでも谷底からはい上がってきた。「やっぱり1打席目にあれを聞くとテンションが上がる」と狩猟本能を高めて打席に向かう。

 ここまで全試合に先発出場。これはチームで柳田と栗原だけだ。昨季まで出場通算46試合。「結果を求められる日々だし、メンタル面でのきつさはある」という24歳のリフレッシュ法は漫画だ。「家にいるときや球場で風呂に入っているときに読みます」。最近のマイブームは天才殺し屋を描いた「ザ・ファブル」という。「バトルもので気持ちを高揚させています」。グラウンド外でも闘争心をみなぎらせている。

 チームは折り返しの60試合目で今季初の6連勝を飾り首位ターン。日々成長を遂げる栗原に工藤監督も目を細める。「(試合が)ナイターの時はアーリー(早出練習)にも出て打っている。そういう努力が結果に結びついているのかな」。子ライオンから一人前のライオンになる日まで、栗原は貪欲に爪を研ぎ続ける。 (長浜幸治)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ