人気ドラマを地でいく柳田悠岐「毎週欠かさず見てます」やられた直後に倍返し20号

西日本スポーツ 倉成 孝史

〈鷹番が見た〉

 ◆ソフトバンク8-5日本ハム(30日、ペイペイドーム)

 この勢いは止まりそうにない。そう感じさせる見事な逆転勝利だった。初回にいきなり4点を奪われながらも、終わってみれば3点差の快勝。「今日の逆転勝利は、大きいかなと思います」。かみしめるように口にした工藤監督も、V奪回へ向けて大きな大きな手応えをつかんだ一戦だったに違いない。

 指揮官を喜ばせたのは、「取られても取り返す」打線の破壊力だ。今季負けなしの石川が、初回にまさかの大量4失点。試合後の工藤監督も「これまでのバーヘイゲンの投球を見る限り、4点は厳しいところもあるかなと思ったけど…」と本音を漏らしたが、まるでドラマのような逆転劇を演じられるパワーが今の打線にはある。

 4点を奪われた直後の攻撃。初回1死一塁で、柳田が普段の登場曲とは違い、大人気ドラマ「半沢直樹」のテーマ曲に乗って打席に入った。「やられたらやり返す」のフレーズ通り、バーへイゲンの155キロツーシームをジャストミート。強烈なライナー性の打球を左中間テラス席へ突き刺した。工藤監督が「あれで全然雰囲気が変わった」と絶賛した20号2ラン。チームの「主人公」が、一振りで試合の「ストーリー」を変えた。

 この日自ら登場曲を変更したという本人は「今日は半沢直樹があるんで、それをモチベーションに頑張りました」と、その頼もしさと裏腹に子供のように笑った。「うれしいです」と2017、18年の74試合を大幅に更新する62試合目でのシーズン20号到達。「毎週欠かさず見てます」と言う日曜劇場を、帰宅後は気分よく堪能できたはずだ。

 これまでの打線は柳田と、この日も勝ち越し弾を放った中村晃の「2人頼み」だった面も否めなかった。明らかに破壊力を増した最大の要因はその後ろを打つ4番グラシアルの存在だ。2点を追う3回に、無死二、三塁から左前適時打。2点リードの5回には、先頭で堀の甘い直球を左翼テラス席に放り込んだ。柳田と今季初のアーチ競演。1試合に3人が本塁打を放ったのは、1週間前の23日ロッテ戦に続き今季3度目だ。

 この日の3発で、チーム本塁打数はリーグダントツの75発となった。工藤監督も「手応えを感じている」と話す「取られても取り返す」強力打線がある限り、今シーズンはハッピーエンドとなるだろう。 (倉成孝史)

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