青学大で登板ゼロ、独立リーグでレジ打ち…28歳で支配下ソフトバンク変則左腕「実感まだ」

西日本スポーツ 長浜 幸治

■背番号「48」

 福岡ソフトバンクの育成3年目、渡辺雄大投手(28)が31日、支配下選手登録された。新たな背番号は48で年俸は600万円(金額は推定)。青山学院大時代には4年間で公式戦登板が一度もなく、独立リーグに進んだ後もアルバイトで生計を立てていた苦労人。9月19日に29歳を迎え、10月に「パパ」になる予定の左腕はプロの世界で大輪の花を咲かせることを誓った。

■2軍で圧倒的な数字

 26歳でプロに飛び込んだ渡辺雄が念願の支配下選手登録を勝ち取った。「年齢を考えても2年、3年とチャンスがあるとは思ってなかった。1年目から『今年がラスト』と思ってずっとやってきた」。8月30日の練習後に吉報を伝えられたと言い、「正直、考えてもいなかったのでびっくり。実感はまだないです」と笑いながら本音を明かした。

 「とにかくチームに貢献したい」。そう口にする渡辺雄にとって、頑張らなくてはいけない理由がある。「10月に子どもが生まれる予定なので。仕事を理解してくれるようになるまで活躍したい」。支配下登録が決まるとすぐさま妻に連絡。プロとして、パパとして、決意は高まるばかりだ。

 諦めずに夢を追い掛け続けた。青山学院大の同期には東條(ロッテ)や杉本(オリックス)がおり、後輩には吉田正(同)と豪華なメンバーがそろっていた。「実力がなかったんで」と振り返る4年間で公式戦登板はゼロ。独立リーグ・BCリーグの新潟アルビレックスに進んでもホームセンターでのレジ打ちなどアルバイトを続けた。

■勝利の方程式「目標」

 2017年の育成ドラフト会議でホークスから6位指名。入団会見からわずか4日後の同年12月中旬、入寮も終えていなかったが、筑後のファーム施設で走り込んだ。育成で同期入団した6人のうち、支配下登録を勝ち取ったのは大竹、周東、尾形、リチャードに続き、渡辺雄で実に5人目。大竹、周東ら年下が次々に1軍で活躍する姿に「焦りや悔しさがなかったと言えばうそになる」と口にしつつも、地道な努力をずっと続けてきた。

 目指すは勝利の方程式入りだ。変則サイドスロー左腕の平均球速は130キロ台だが、鋭いスライダーが最大の武器。「左打者はもちろん、右打者も抑えて、ゆくゆくは重要なポジションで投げたい」。今季2軍では11試合に登板して2勝1セーブ、防御率0・00。計11回1/3で被安打2、17奪三振で無失点と圧倒的な数字を残している。

 「(プロに)入ったのは遅かったけど、ここからなので。ファームでは通用するところを証明してくれている」と工藤監督も大きな期待をかける28歳が大きな一歩を踏み出した。 (長浜幸治)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ