大事にしたいエースの“振る舞い” 捕手からの返球取り損ねたソフトバンク千賀

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆オリックス5-0ソフトバンク(1日、京セラドーム大阪)

 記録は持ち越しとなった。巨人のエース、菅野だ。中6日で先発した1日のDeNA戦(東京ドーム)。7回まで4安打1失点と好投を見せていた右腕は、1点リードの8回2死から連続四球を与えたところで、無念の降板となった。

 その後、2番手で登板した中川が同点適時打を許してしまい、自身の勝ち星は消滅した。開幕10連勝も次回登板に持ち越しとなった。ただ、チームがサヨナラ勝ちを収めたことで、イニング途中に降板した自身への悔しさも、少しばかり和らいだのではなかろうか。

 そんな菅野の矜持(きょうじ)を見せつけられたと感じたのが、8月18日の阪神戦(同)後のことだった。今季初の中5日登板を完封勝利で飾った右腕は、お立ち台でこう言ってのけた。

 「中5日ぐらいでね、ヒーヒー言ってたら先発ピッチャーは務まらないと思うので。大丈夫です」

 許した安打は3本。与えた四死球は9回2死からの1個のみ。中5日登板にもかかわらず、球数は125球にものぼった。それなのに最少1点のリードをしっかり守り抜き、お立ち台では男前過ぎる発言だ。これがエースというもんだ。そう強く思った。

 『そんな、2週間前の話を持ち出して』と思われるかもしれないが、やっぱり比較してしまう。ホークス投手陣をけん引してほしい千賀だ。この日は6回に押し出し四球も与えるなど突如として乱した制球を修正できないまま、オリックス山本に投げ負けた。

 ただ、シーズンを通して投げていれば、こんな試合もある。それよりこの日、個人的に気になったのは5回1死から、8番小田を空振り三振に仕留めた直前のアクシデントだ。

 女房役甲斐からの返球を捕り損ね、グラブ先にあてた球が自身の右手親指付近に直撃した場面。その後も150キロ超の直球を投げ込んでいたから大事には至ってないのだろうが、こんな姿を大黒柱と呼ばれる投手が見せてはいけない。

 試合後、そのシーンについて工藤監督は「トレーナーも見た上で、僕のところに言ってきてもない。投手コーチからしびれているというのもなかった」と説明していたが、内心は穏やかではなかったはずだ。

 誰もがより多くを求め、一挙手一投足に注目する。千賀はそういう立場に置かれている。チームを勝利に導くことも重要だが、大黒柱としての“振る舞い”も大事にしたいところだ。 (石田泰隆)

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