流れを左右する「併殺」 上林がだまされたディクソンの頭脳プレー

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆オリックス3-3ソフトバンク(2日、京セラドーム大阪)

 ん? そういえば最近見てないな。ちょっと珍しいかも。そう思って記録帳を見返すと「そんなにか!」と驚かされた。何しろ、そこまでとは思わなかったからだ。ホークス打撃陣が喫した「併殺打」の数だ。

 1-1の同点で迎えた3回だった。先頭の川島が死球で出塁し、この日は2番に入っていたグラシアルに打席が回ってきた。試合はまだ序盤。しかも、一発のある助っ人に犠打はないだろうと思って戦況を見守っていると、3球目のフォークボールを捉え損ねた。

 打球は遊撃手安達の正面をつき、二塁手福田→一塁手T-岡田へとわたる併殺打に。結局、3番柳田、4番中村晃にチャンスで打席を回すことができず、この回は無得点に終わった。

 ここで前述の件だ。ホークス打線が喫した最後の併殺打がいつか調べると、8月25日のオリックス戦以来、実に7戦ぶりだった。これは地味にすごい。そう思ってさらに調べると、これが今季22個目の併殺打で、12球団最少だった。

 ちなみに次に少ないのが西武の35個で、逆にワーストはDeNAの54個だったから、この数字が突出しているのが分かる。チームが8月末に8連勝したのも納得だ。たった一振りで2個のアウトを献上してしまう併殺打は、それだけ打線の勢いを止めてしまうものだということだろう。

 もちろん、今季のホークス打線は併殺打を量産傾向にある助っ人外国人がオーダーに並ぶケースが少ない。加えて、打線全体の出塁率がリーグ下位と低調なのも一つの要因だろうが、それを補う長打力があるからこそ、チームは首位の座を守り続けている。

 それでもやはり、併殺打はチームにとってマイナスだ。この日の試合を振り返ると、相手は2点を勝ち越された直後の7回無死一、二塁の好機でジョーンズが遊ゴロ併殺打に倒れた。この時は「勝負あった」と思ったもんだが、最後に“落とし穴”が待っていた。

 延長10回だ。無死一塁で松田宣が犠打を失敗し、投飛で1アウト。さらに直接捕球か、ワンバウンド捕球かの頭脳プレーを仕掛けてきたディクソンに一塁走者の上林がだまされ、帰塁できずにアウトとなった。

 記録上は上林の走塁死で併殺打にはならないものの、併殺は併殺だ。「また明日、頑張りましょう」。“併殺打”が試合の行方を左右した一戦を勝ちきれず、工藤監督も悔しさを隠せなかった。 (石田泰隆)

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