ソフトバンク工藤監督は就任から5戦全勝「ホームラン記念日」の奇縁

西日本スポーツ 倉成 孝史

 ◆ソフトバンク5-4オリックス(3日、京セラドーム大阪)

 王会長、勝ちました! ソフトバンクがホームラン記念日にホームランで試合を決めた。2点を追う7回に7、8番の松田宣と甲斐が2者連続弾。味方のミスをカバーして、最下位オリックスとの3連戦負け越しを阻止した。43年前に王球団会長が通算756号の世界記録を樹立した9月3日の試合で工藤監督は5戦全勝。2位ロッテとの3・5ゲーム差をキープして4日から直接対決に臨む。

 9月に入り微妙に歯車が狂いかけていたチームをよみがえらせたのは、下位打線の2人だった。2点を追う7回。1死一塁で7番松田宣が富山の5球目直球を振り抜き、打球を左中間席に突き刺した。終盤で試合を振り出しに戻す7号同点2ラン。さらに、相手が息つく間もなくたたみかけたのが続く8番甲斐だ。同じく富山の143キロ直球を強振し、左中間席へ打球をたたき込んだ。

 「マッチ(松田宣)の同点ホームランは本当に大きかったし、甲斐もよく打ってくれた」

 そう工藤監督が心の底から喜びを示したように、逆転勝ちに直結した今季初の下位打線の連弾はまさに値千金だった。9連勝を狙った最下位オリックスとのカード初戦は零封負け。2戦目は9回に守護神の森が2点差を追いつかれ、痛い引き分けを喫した。そしてこの日は2点を先制しながらも、4回に明石と周東のエラーをきっかけに4失点。1イニング2失策で逆転を許すと5、6回の攻撃はともに三者凡退で計4三振を喫するなど、重苦しすぎる雰囲気に包まれていた。

 今月に入り白星がなかった状況で仮にそのまま敗戦していれば今後に向けて暗雲が垂れ込める可能性も高かった。それを防いだのがナインの「助け合い」の心だ。同点弾の松田宣が「野手のミスで逆転を許してしまったので何とかしたかった」と言えば、勝ち越し弾の甲斐は「(失策が出た)ああいう場面で(捕手として)抑えないといけなかった。頑張って投げていた二保さんとチームが勝つためにという思いだけ」と、力強いスイングの背景にあった思いを語った。

 そんな逆転勝ちだっただけに、工藤監督の喜びもひとしおだ。「助け合ってというところ。若い人が出ているんでミスが出ることもある。でも、成長する過程でみんな乗り越えてうまくなっていく。ミスを恐れずやってほしい」。王会長が巨人で現役だった1977年に通算756本目のアーチを放った「ホームラン記念日」。その9月3日に下位打線の2人がアーチを架け、痛すぎる二つの守備のミスを帳消しにした。工藤監督は2015年の就任以来、9月3日は全勝だ。

 最下位相手に軽い足踏みこそしたが、9月初勝利で貯金も今季最多タイの14に戻した。きょう4日からは本拠地で2位ロッテを迎えての直接対決に臨む。「勝って気分良く(福岡に)帰れる。きょうはナイスゲームでした」。大きな逆転勝利を首位独走へとつなげてみせる。 (倉成孝史)

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