J1自動昇格へ…激しく火花を散らす長崎と北九州 名将が率いる「2強」それぞれの強みとは

西日本スポーツ 松田 達也

 J2はシーズンの約3分の1にあたる第16節を終え、自動昇格圏内で九州の「2強」が激しい首位争いを演じている。V・ファーレン長崎が首位、勝ち点1差の2位にギラヴァンツ北九州。九州の複数クラブが同時にJ1昇格すれば史上初の快挙となる。新型コロナウイルスの感染拡大も影響した過密日程でも着実に勝ち点を積み重ねる両チームの強み、特徴を分析した。

■特徴ある指揮官

 長崎の大きな武器は、チームとしての総合力だ。得点はリーグ5位、失点は2位タイの堅守。攻守ともに安定感を発揮する。攻撃では4得点の畑、大竹を筆頭に計14選手が得点を挙げるなど、誰が出ても機能する多彩な攻撃が躍進の要因といえる。

 北九州は爆発的な得点力が特徴だ。ここまで10試合連続複数得点中でリーグ最多の30得点。象徴的な存在がリーグ2位の9点を奪うディサロだ。左足を武器に7月25日の山口戦から9連勝、10戦負けなしの期間で8点を決めて快進撃の立役者となっている。

 両チームともにボールを保持しながら、連動した攻撃を形成するスタイルながら、カラーの違いを生み出す“味付け”をする両監督の手腕も大きい。

 北九州の小林監督は、過去に大分、山形、徳島、清水をJ1昇格へと導いた「昇格請負人」だ。24歳のディサロだけでなく20歳の町野も6得点と、伸びしろと将来を見据えた若手の積極的な起用を結果につなげている。

 長崎の手倉森監督は小林監督について、「北九州はJ3で積み上げた戦術が磨かれて、J2の勝ち方を知っている小林監督に率いられ、確信を持ってサッカーをしている」と分析する。

■監督同士に因縁

 一方、手倉森監督は仙台をJ1に導いた経験だけでなく、リオデジャネイロ五輪の指揮を執るなど国際経験も豊富だ。日本代表経験者、外国人などを抱える選手層の厚さは半面、チームをまとめる点では苦労することもあるが、戦力を最大限に生かすバランスを考えた采配で首位を維持させている。

 北九州の小林監督は手倉森監督について、「長崎は特徴のあるタレントが多い。その選手たちを手倉森監督がうまく機能させている」とたたえる。

 ともに就任2年目の両監督。目指すサッカーの浸透度も高まっている。九州の地で首位争いを演じている両者ながら、手倉森監督は2008~13年まで仙台の監督を務め、小林監督も08~11年まで山形を指揮。東北の“みちのくダービー”でもしのぎを削った因縁がある。手倉森監督は「昔から、順位を争う縁があるのかな」と笑う。

 ダブル昇格に向けて残り26試合。山あり谷ありのJ2の過酷な戦いはまだまだ続く。「北九州が後ろについてくるから、こちらも首位でいるメンタリティーができている。感謝したい」と手倉森監督。小林監督は「油断すればやられる」と気を引き締める。互いの対抗心も刺激になっている。

 成熟した戦術に得点力を兼ね備え、卓越した指導力を持つ監督が率いる両チームには、今後への“夢”を感じさせる雰囲気を漂わせる。5日、長崎はアウェーで金沢、北九州はホームで甲府と対戦する。 (松田達也)

PR

V・ファーレン長崎 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング