雨上がりの2発 ソフトバンク柳田の復調気配を示す「らしい」言葉

西日本スポーツ 山田 孝人

〈鷹番が見た〉

 ◆楽天2-9ソフトバンク(10日、楽天生命パーク宮城)

 柳田悠岐外野手(31)が9月初アーチを含む2発4打点と大爆発した。2点を追う3回に松井から左翼席へ逆転の21号3ラン。9試合ぶりの一発に続き、8回は牧田から左中間席への22号ソロで今季3度目の1試合2発。9月の月間打率が2割台の主砲が覚醒して楽天に3連勝だ。試合時間4時間6分に加え、計1時間32分の2度の降雨中断もあった激戦を制し、日本ハムに敗れた2位ロッテとの差を1・5ゲームに広げた。

 久しぶりに柳田が満面の笑みを浮かべた。2点を先制された直後の3回だ。1死から川島が四球を選んで出塁すると、中村晃は右前打で一、三塁と好機を拡大。ここで松井が1ボールから投じた2球目、外角への143キロの真っすぐを、フルスイングで逆方向へとはじき返した。降りしきる雨を切り裂いて、ぐんぐんと伸びていった打球は左翼スタンドへと飛び込んだ。

 9月に入ってからは、初のアーチとなる9試合ぶりの21号逆転3ランだ。ベンチに戻っても表情には笑顔が目立つ。それだけ会心の一打だったのだろう。「晃(中村)がつないでくれてチャンスをつくってくれたし、最高の結果になって良かった」と深くうなずいた。

 もう一つ、らしい言葉があった。西武の中村が本塁打などを放った際、よく使う言葉に「打てて良かったです」がある。中村ほど頻繁ではないものの、柳田にもある。納得した一打に対しての「自分のスイングで打つことができた」というものだ。率直な人柄を示す、ありのままに心情を表現した言葉だが、約2週間ぶりに聞くことができた。

 7月の月間打率は4割3分3厘(7本塁打)、8月も3割1分5厘(10本塁打)と好調を維持してきたが、9月はこの試合前までの8戦で打率2割1分9厘。8月下旬から9月にかけ苦しんだ。8月30日の日本ハム戦(ペイペイドーム)で20号を放った際には「丁寧に打てたと思う」と口にするなど本調子でないことをにじませていた。

 工藤監督は苦しんでいた時期の柳田について「まだフルスイングすると乱れるところがあるが、ミートなら形が崩れずに打てているところがある」と評していたが、この日の姿は対照的だった。柳田が口にする「自分のスイング」とは代名詞でもあるフルスイング。3回の言葉は着実に手応えを感じている証しのはずだ。

 降雨のため55分間にわたる2度目の中断を経ても、そのバットは湿ることはなかった。午後11時に迫ろうとする頃に再開された8回は、2死から牧田の甘いカーブを再びのフルスイングで捉えて、左翼スタンドへ放り込んだ。「いい角度で打球が上がってくれたので入ると思った。中断したが集中して打てた」。リーグ単独2位に浮上する22号ソロ。この日は4打点の大暴れを見せ、チームを3連勝に導いた。本拠地でロッテに喫した3連敗を払拭(ふっしょく)するかのように、チームも主砲も杜(もり)の都で復調を遂げた。 (山田孝人)

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