ソフトバンク周東を突き動かす同期のライバル「多分僕が一番意識してる」

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆ソフトバンク4-2西武(11日、ペイペイドーム)

 今季最短に並ぶ2時間21分の「スピード勝負」で獅子倒だ。3回に先制打を放った周東佑京内野手(24)が西武バッテリーに息つく間も与えない電光石火の二盗、三盗。中村晃の犠飛で2点目の生還を果たし、勝利を呼んだ。先発ムーアも来日後最長の7回を2失点の好投を見せた。仙台で中断を含めて5時間38分(試合時間は4時間6分)を戦った翌日に福岡への「移動ゲーム」。疲れも吹き飛ぶ快勝で4連勝だ。

■成功率8割9分5厘

 やはり唯一無二の武器だ。3回1死三塁で右前に先制打を放った周東が、中村晃の2球目にスタートを切った。「とにかく早いカウントで行きたかった」。ニールのクイックは1秒2以内、捕手森の送球タイムも2秒を切っていた。西武バッテリーは及第点の数字を出してはいたが、危なげなく二塁を陥れた。

 続く3球目。球場のざわめきが収まらないうちに、周東が忍者のような軽やかなステップで再びスタートだ。「バッテリーがこっちを向いてないなと。二塁に行けたら次の球で行こうと決めていた」。モーションを完全に見切って三盗を決めると、観客から驚きにも似た声が上がった。中村晃が中堅へ犠飛を打ち上げると楽々とホームイン。足でもぎ取った2点目だった。

 盗塁王のタイトルを目標とする周東が最も意識するのが、現在リーグトップの18盗塁を決めているロッテの和田だ。周東が3学年上ながら、ともに2017年のドラフトで育成指名され、自慢の足で一躍注目を浴びた経緯も似ている。「いつも試合結果はチェックしている。僕が多分一番意識しているんじゃないか。高いレベルで競い合えたら」とライバル心を隠さない。

 今季序盤は出場機会も少なく、初盗塁はシーズン31試合目だった。「次に真っすぐが来るんじゃないか、けん制が来るんじゃないかと考えすぎていた」。それでも盗塁を重ねるにつれて感性が研ぎ澄まされていった。「去年よりいいスタートを切れる回数が増えてきた」と、8月には出場20試合で10盗塁と量産。この日で今季17盗塁となり、和田に1差と迫った。成功率も和田の8割5分7厘(企図21で成功18)を上回る8割9分5厘(企図19で成功17)と精度も高い。

 この日の試合前練習では王球団会長から身ぶり手ぶりで打撃指導を受けていた。最近のホームゲームでは度々見られる光景だ。自慢の足だけでなく、課題の打撃力も日々成長を続けている。工藤監督は「久しぶりに三盗が見られた。速かったですねえ」と思わず“ファン目線”で振り返るほど全幅の信頼を寄せている。「周東君は常に(盗塁の判断を本人に任せる)グリーンライトです。けん制でアウトになるのも盗塁してアウトになるのも一緒。思い切っていってほしい」。若きスピードスター対決を制して悲願のタイトルへ。いだてんの加速が止まらない。 (長浜幸治)

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