ソフトバンクを5連勝へ導いた“不敗弾” 工藤監督が明かす38歳の真摯な姿

西日本スポーツ 倉成 孝史

〈鷹番が見た〉

 ◆ソフトバンク8-4西武(12日、ペイペイドーム)

 野手最年長の38歳がお祭り男になった。今年の「鷹の祭典」初戦で先発マスクをかぶった高谷裕亮捕手が3ランを含む4打点の大爆発。「S15(サァイコー!)イエロー2020」と名付けた黄色をベースに、新型コロナウイルスの感染拡大防止に尽くす医療従事者への感謝を込めた青色も使用したユニホームに身をまとい、5連勝を飾った。試合が雨天中止になった2位ロッテとのゲーム差は2。恒例の祭典で一気に差を広げる。

■14年目で初4打点

 まだ試合序盤だった。ただ、本人には失礼だが「珍しい」その一発を見た瞬間、勝利の確率はかなり高いと確信した。3点を奪いリードを4点に広げた3回。なお2死二、三塁の好機で、高谷がノリンの内角高めスライダーを右翼テラス席へ放り込んだ。一塁を回ると右手でガッツポーズ。「芯で打てましたが、入るとは思わなかった」と本人もびっくりの今季2号3ランで7点差に広げた。

 勝利の確率が高いと思ったのは、7点に広がった点差だからではない。工藤政権下において高谷の一発は「不敗弾」だからだ。高谷は工藤監督就任1年目の2015年に、自身7年ぶりの一発をマーク。その15年から1→2→1→1→1→1本と、今季の8月26日オリックス戦まで毎シーズンほぼ1本のアーチを放ってきたが、その7試合はすべてチームは勝利していた。

■工藤監督が“予言”

 今季1号2ランで1点差勝利を呼び込んだオリックス戦後には「(今季)まだ出るかもしれませんよ」と、工藤監督が不敵な笑みで“予言”していた通り、4年ぶりのシーズン複数本塁打だ。2回2死二塁では貴重な先制適時打も放っており、プロ14年目で初の1試合4打点も記録。指揮官は「素晴らしい活躍だった。リードと打つ方と本当によく頑張ってくれた」と5連勝をもたらしたベテランを大絶賛した。

 野球に向き合う姿勢と入念な準備が「不敗弾」につながる。工藤監督は「遠征に行って(宿舎内のジムで)たまに自転車をこぐけど、大体、彼がウエートをしている」と明かす。記者も遠征先で趣味のランニング中に、高谷に出くわしたことは1度や2度ではない。「松坂世代」の1学年下で、11月には39歳となるベテラン。16年には左膝半月板の手術も行っている。「ケア、トレーニング、試合に出ようが出まいがやることは変わらない。最低限これだけはやろうということは怠らずに」。そんな姿勢が、今季14試合目のスタメンでの大活躍につながった。

 この日から毎年恒例イベント「鷹の祭典」がスタートし、ナインは新型コロナウイルス感染拡大防止に尽くす医療従事者らへの感謝の思いを込めて製作された黄色を基調に青が入ったユニホームで戦った。その初戦は、間違いなく「タカヤの祭典」となった。 (倉成孝史)

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