ソフトバンク周東の涙に思う 大事なのは失敗した「その後」

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク8-4西武(12日、ペイペイドーム)

 当たり前だが、やはり走者を置いての一発は効果抜群だ。12日の西武戦はさすがに狭い球場だけあって、両軍で4本の本塁打が乱れ飛んだ。本数だけを見れば西武の3発に対し、ホークスは1発と数では負けた。

 しかし、相手はいずれもソロ本塁打で3点しか奪えなかったのに対し、ホークスは高谷の一振りで3点ももぎ取った。

 チーム本塁打の内訳を見ても、今年は有走者での一発が目立つ。高谷の一発でチーム本塁打はリーグ1位を独走する89本となったが、有走者での本塁打は38本となった。これは総得点リーグ1位の楽天(40本)に次いで同2位だ。

 ただ、そんな効果的な一発が飛び出しての快勝にも、チームにとっては反省の、工藤監督にとっては大いに不満の残る白星となったのではなかろうか。言うまでもなく、ディフェンス面の締まりのなさだ。

 終盤の7、8回に二塁手の周東が続けざまに失策すると、同じく8回には中堅手の柳田までもが送球ミスを犯した。1死二、三塁の場面で左中間への飛球を捕球後、中継役の川瀬に中途半端なバウンドの返球をしてしまい、二塁走者のメヒアに本塁を狙われた。

 一度はセーフ判定で本塁生還を許したことに対しての失策が記録されたが、工藤監督からのリクエストによるリプレー検証の結果、判定はアウトに覆り、失策は帳消しとなった。仮に判定がセーフのままだと3点差に詰め寄られるところだった。今季チームワーストの1試合3失策も免れた。

 それにしても、周東だ。8回の守備を終えてベンチへ戻ってくると、タオルを頭からかぶって涙を流していた。失策の一つは失点につながっただけに、悔しさをこらえきれなかったのだろう。ふがいなさもあって、気持ちのコントロールさえ失っている様子だった。

 そんな周東を見て、ベンチは牧原を9回の守りに就かせていた。試合後、工藤監督は交代の経緯について「精神的なところ。コーチが見て落ち込んでいたと。なら代えてやろうと」と説明していたが、まだ試合中だったことを考えると、涙は我慢しなければならなかった。厳しいようだが、そういう状況に置かれた時だからこそ、最後まで責任を持って守ってほしかった。

 こういう苦い思いは誰もが経験してきた。そして、その経験を糧にしてきた選手だけが生き残れる世界でもある。13日の試合も先発出場するだろう。大事なのは、失敗したその後だ。流した涙を無駄にせず、プレーで取り返してほしい。 (石田泰隆)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ