マウンドで怒りをあらわにした千賀 エースの148球を起爆剤に

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

〈鷹番が見た〉

 ◆日本ハム3-2ソフトバンク(15日、札幌ドーム)

 エースの「札幌不敗神話」にピリオドが打たれた。千賀滉大投手(27)が、自己最多の148球、3失点での今季初完投も実らず、札幌ドーム10戦目の登板で初黒星。2試合連続2桁の12三振を奪ったが、6四球を与え、1番西川に適時打2本を浴びた。ホークスは「2試合連続完投負け」を喫したものの、2位ロッテの逆転負けで0・5ゲーム差の首位をキープ。こんなときもある。前を向こう。

 プロ10年目で1試合での自己最多投球数を更新する144球目だった。2点ビハインドの8回2死満塁、千賀は追い込んだ西川にフォークを投じた。その宝刀が落ちない。相手リードオフマンに打たれた3本目の安打はライト前で弾み、痛恨の3点目を失った。9回に打線が柳田、川島のソロ本塁打で反撃しただけに、結果的にこの1点が雌雄を決する形になった。

 「ランナーを出してから、粘らなければいけない場面で粘ることができなかった」

 2回の満塁機でも西川にやられていた。やはり失投のフォークを右翼フェンス最上部直撃の先制2点二塁打。「先制点を与えたことが一番の反省」と悔やんだ。今季初完投は8回で2試合連続2桁の12三振を奪ったものの、被安打9、6四球、3失点で4敗目。これまで無傷だった札幌ドームで10試合目(うち先発9試合)にして初めて黒星が付き、不敗神話は終わった。

 先制を許して主導権を握れないままの投球で、歯がゆさが垣間見えたシーンがあった。5回。3番近藤、4番中田を抑えた後、5番の渡辺に左前打を打たれると、拳を握った右手でグラブをたたき怒りをあらわにした。好投手は序盤苦しんでも1度三者凡退のイニングをつくると立ち直るケースが見られる。この試合で相手先発の上沢は4回を3人で片付けた後、8回の降板までに出した走者は1人。一方、千賀の三者凡退は6回だけで、終始粘りの投球を強いられた。

 ただ敗れはしたものの、千賀の立ち姿がチームを奮い立たせたことは、シーズン終盤に向けた光明ではないだろうか。「最後までほぼほぼ全力投球が続いたと思うが、投げきった姿を見て燃えるものが野手にもあったと思う」。工藤監督はチームの勝ち負けを背負って9回の反撃を呼び込んだ右腕をねぎらった。

 記者席では2位ロッテの試合映像も並行してチェックしている。目下のライバルは終盤まで優位に試合を進めながら逆転負けし、ホークスは首位陥落を免れた。ただ0・5ゲーム差は変わらない。今季これまで週の「頭」を任せられる千賀が白星を挙げればチームは6連戦を勝ち越していた。それほどチームに与える影響は大きい。今回は星を落としたが、エースの148球の奮闘が起爆剤になることを期待する。 (鎌田真一郎)

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