福岡V字回復の原動力 コロナ感染から復帰の主将がもたらす波及効果

西日本スポーツ 末継 智章

 ◆明治安田生命J2第9節 大宮0-1福岡(16日・NACK5スタジアム大宮)

 新型コロナウイルスの影響で延期となっていた試合でアビスパ福岡が貴重な白星を挙げた。敵地で大宮を1-0で破り、3年ぶりの4連勝。後半にファンマ(29)が2試合連続ゴールを決めた。勝ち点は31で5位に浮上。J1昇格圏の2位V・ファーレン長崎とは勝ち点7差と急上昇してきた。

 仕切り直しの一戦で福岡のキャプテンが均衡を破るアシストを挙げた。0-0で迎えた後半20分、左サイドへと駆け上がった前主将が速く低いクロスを供給。ゴール前に詰めていたファンマの2試合連続弾を演出した。

 「前半(左サイドバックの)輪湖君にサポートがないと感じ、2人で話し合っていた。あそこ(左サイド)に僕が走ることは珍しいけど、いいタイミングで走り、パスを出せた」。その輪湖とのパス交換で得点につなげたプレーに長谷部監督も「駆け上がったのは彼の判断。チームが狙っていた形を実践してくれた」と絶賛した。

 前は大宮と対戦するはずだった8月2日の試合直前、新型コロナウイルスへの感染疑いが判明、試合は延期になった。約1カ月半遅れでの代替開催に前は「来てくれたサポーターや試合に向けて設営してくれた方、携わってくれた方に申し訳なさがあった。きょうは特別な思いがあった」と人一倍集中していた。守備でも相手FWイバにボールが渡った瞬間に味方DFと挟み込み、シュートを打たせなかった。

 前がコロナの影響で約1カ月の離脱を強いられた間、3位だったチームは17位まで急降下。それが復帰した途端に今季初の4連勝だ。2018、19年にJ2水戸で長谷部監督に師事しており、福岡の誰よりも戦術を理解。試合中は監督との橋渡し役になるだけでなく、選手同士で話し合い、自ら課題を解決しようとしている。「相手の(高い)技術で守備を剥がされる部分があったので、試合中に話し合って変化をした」。この試合でもピッチ内で修正に成功し、無失点勝利に貢献した。

 4連勝中は同じボランチの鈴木や松本も好機を演出。長谷部監督は「前自身が能力を発揮しているのも一つだが、周りもライバル心をむき出しにして頑張ろうとしている」と復帰の波及効果も好調の一因に挙げる。

 5位浮上で再び昇格争いに絡んできたが、前は「終盤に相手を引き込む形になった」と反省。冷静かつ周りに気を配るキャプテンがまだまだ福岡を高みへ引き上げていく。 (末継智章)

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