【Fの推し増し・前編】「これは夢なのか」北九州発映画で奮闘したHKT小田彩加

西日本新聞 古川 泰裕

HKT48小田彩加・長文インタビュー前編

 ロケも舞台もスタッフも北九州市にこだわった映画「めぐり逢(あ)わせの法則」(岩松茂監督)。HKT48の小田彩加(21)が、豊永阿紀(20)や坂口理子(26)とともに主要キャストを演じ、好演を見せている。イラスト上手な天然キャラの4期生は、思慮深く優しい感性の持ち主だが、ちょっぴり“ブラック”な一面も併せ持つ。グループ加入前から強烈な個性でファンを引きつける小田の「これまで」と「これから」をじっくり聞いた。(古川泰裕)

出演オファー「正直びびった、体が固まった」

 -「めぐり逢わせの法則」、物語のキーパーソンを演じている。

 小田「そうなんです。主演は(豊永)阿紀ちゃんなんですけど、せりふの量というか、林美玲(りん・みれい)役は重要だったので、話をもらった時、『え、大丈夫かな』って心配になりました」

 -それが3月くらい?

 「『おしゃべりジュークボックス』(最新シングル『3-2』カップリング曲)のミュージックビデオ(MV)撮影の空き時間に呼ばれて。何かしたかな?って思って過去1年間を振り返ったんですよ。でも大丈夫なはず、と思って。過去を振り返るのは嫌いなんですけど…」

 -なんか、すいません(笑)。

 「ああ違う違う、過去数カ月は大丈夫です(笑)。1年間くらいを思い返して、悪いことはやっていないはず、ってハラハラしながら呼ばれて映画の話をいただいて。小田があんまり、阿紀ちゃんとりこぴさん(坂口理子)に比べて演技経験とか…、これなんですっけ。(刀で切るしぐさをしながら)シャキン、シャキンって」

 -殺陣のこと?

 「たて…あっ、舞台だ(笑)。(私は)『仁義なき戦い』(2019年秋にAKB48グループが博多座で上演)とかも経験していなかったから。りこぴさんは博多座(17年の石川さゆり特別公演)も経験しているし、その中に小田が入るっていう…。(共演に)大和田伸也さんとかもいる中で、心配とか怖さとかもあったんですけど(スタッフが)『あとは小田次第。(やるかやらないか)決めていいよ』って。でも絶対やりたいって。断るっていう気持ちは全然降りてこなかった。こんなお仕事をさせてもらえることはほとんどないし、北九州出身っていうので呼んでもらったし。映画はアルバム『092』特典の短編映画以来で、その時は丸1日かけてあっという間に終わった。ファンに『良かったよ』って言ってもらえることもあったけど、自分の中で記憶が薄くなっていて。『あの時、けっこう大変やったけど、自分に向いているんかな?』とかいろいろ考えたけど、やるからには全力でやろうと思って」

 -尻込みはしなかった?

 「正直びびりましたし…(体が)固まっていたらしいんですよ。気づかなかったけど、後から言われました。固まっている間は『やばい、やばい…』って。でも絶対やりたいし、自分が今まで、避けてはいないけど、やってこなかったジャンルだったから。新しく何かを見つけられるかもしれないなとか、新しく何かをやってみたいっていう気持ちがすごくあるので。演技は、ドラマとかで、女優さんを『こんな演技するんや』みたいに見るのは好きだった。自分がやるのは予想外だったけど、断りたいとか全然思わなくて。これで何か変われたらなっていう気持ちが大きかったです」

 -役どころはオファーの時点で聞いていた?

 「聞きました。一応、仮の台本みたいなものや、その時点で決まっている登場人物の表とかもらって。台湾から来たっていう設定だけど、その時は中国語を話すっていうことは言われていなかったし、内容もそこまでは把握していなかったけど、台湾から来たっていう時点で面白そうって思った。脚本自体も面白い話だなって、早く読んでみたいと思いました。本当に不思議な世界観だったからこそ、やってみたら面白いなと。一緒にやるメンバーを聞いた時、演技経験の差っていう意味では大丈夫かなって不安だったけど、かごニュー(レギュラー出演する鹿児島テレビの番組)とかで一緒に仕事することが多いメンバーだったので、『助けてもらおう』みたいな(笑)」

 -安心感はあった?

 「そう。ほっとしました。そのメンバーとやれるならすごく楽しみっていう感じ。いっぱいアドバイスとかもらえたらいいなって」

「めぐり逢わせの法則」への出演オファー。「正直びびった」と振り返る小田彩加

大和田伸也さんに「連れて行ってもらった感じ」

 -お芝居への印象は。

 「やっている時は楽しいんですけど…客観的に評価されるじゃないですか。その怖さとか…。自分は演技に対して、楽しいとか面白いと思う。自分じゃない自分になる、表現みたいなことへの関心はもともとあった感じです。コント劇とかも演技に入りますかね?(コンサートで披露した)寸劇で『指レンジャー』とかしたり、前説みたいなところでせりふを覚えたりとか、(運上弘菜とのコンビ)『きゅうりジュース』のコントとか、なつみかんさん(田中菜津美=卒業生)との漫才とか。ちょこっとずつ経験させてもらったのが、ここに響いたというか。ちょっとずつやっていたからこそ。そこは楽しい思い出だったから」

 -何も経験がない状態ではなかった。

 「昔のことではあるけど…ちょっと『やっていた』って言っていいか分からないけど、ステージでやっていたから」

 -客観的に見られることには自信がない?

 「ないですね。自分の演技を後から見ても『うわー』って思っちゃう人です。『なんでこんな…』って。納得っていうのは全然なかったけど。(コントなどで)もっとこうしたら面白かったのにとか、後悔というか。でもそっち(コント)は面白さというか、笑ってもらうことを重視していたから、ちょっとそこは違いましたね。お客さんが笑えばいいっていう考え方だから」

 -今回は物語の主軸を担う役。涙を見せるシーンも。

 「ありました。泣くシーンが2個あって。台本に『ほおに涙が伝う』みたいに書いてあって。監督さんにもよるかもしれないんですけど、今回は無理やり泣かせるのを撮りたいわけじゃなさそうで。自分も気持ちを入れて泣けなかった時は仕方ないけど、できる限り世界に入って、その人の気持ちになろうと思って。阿紀ちゃんと2人で涙するシーンがあったんですけど…。阿紀ちゃんとは5日間くらい一緒に撮った。朝から晩まで、ホテルも隣の部屋だったので(扉を)トントンってして、次の日にやるシーンの台本を読み合わせたりして。とにかくずっと一緒だったから、同期だったし、阿紀ちゃんだったから気持ちを入れられて…。感謝しています。雰囲気というか空気感も一緒につくれたし、台本を見ながら『こういう気持ちだよね』って確かめ合ったりして。悲しいとか、悔しいとか、めっちゃ楽しいとか、いろいろな感情がある役だった。撮影初日だけとか、中盤のシーンからとか、台本通りに撮るわけじゃないから、感情も1日でバラバラだったけど、そのテンションも一緒に考えてくれて。(泣くシーンが)撮影4日目の夜とか後半だったので、泣けたけど…。角度的に撮れていたかは分からないですけど、空気感としてはすごく入り込めました」

 -本気で泣いたシーンもあったとか。

 「『お母さんが死んだときを思い浮かべる』とか、そういう違う理由で泣くっていうやり方もあるって。調べたんですよ、泣き方みたいな(笑)。まばたきしないとか」

 -物理(笑)

 「そういうことも書いてあったけど、一番はその世界観に入って、その子になりきるのが泣けるなって。大和田伸也さんとのシーンで泣くところもあったんですけど、そこはマジで。大和田さんのオーラとか圧倒されたのもあるんですけど…。大和田さんだからこその空気感に一瞬でもう、カメラが回った瞬間に入り込んで。その世界に連れて行ってもらった感じで、すごく泣けました」

 -すんなり世界に入れた。

 「カメラを一回一回止めて、いろいろ場所を変えるんですけど(涙が)止まらなくて。放心状態みたいな感じでした。最終日の夜で、そこは自分でもびっくりしました。こんな気持ちになれるんだって。練習した時とは全然違ったから、1人で練習した時は、気持ちを入れても、泣くっていうところまではいかなかったんですよ。でも本番はすごくスイッチが入って…。面白いって思いました」

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