ソフトバンク東浜は号泣…川村さんは「恩人」プロの壁のり越えた転機

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆日本ハム1-2ソフトバンク(17日、札幌ドーム)

 今季最長の8回を投げ、4勝目を挙げた東浜は緊張から解き放たれると、あふれる感情をこらえきれなかった。「やっぱり…本当に…、入団してからずっとお世話になっていた方なので…」。試合後の取材。前日16日に他界した川村隆史3軍コンディショニング担当スタッフの話になると、涙が止まらなくなった。

 球場に到着してロッカーに入ると、チーム全員で黙とうをささげ、ユニホームの左袖に喪章を付けた。さらに、東浜はマウンドに上がる際、目を閉じて恩人の顔を思い浮かべた。登板前夜に、伝えられた事実に動揺しないはずがなかった。それでも「今日は背中を押してくれた」。

 3回1死一、三塁の場面で、中島がセーフティースクイズを仕掛けてきたが、マウンドを素早く降りグラブトスで得点を許さなかった。前半は最速151キロの直球を軸に組み立て、終盤は変化球を多投。8回1死二塁のピンチも大田を初球のスライダーで遊ゴロに仕留め、中島は追い込み、シンカーで三ゴロに封じて開幕戦以来となる無失点投球で守護神につないだ。

 3球団競合の末、亜大からドラフト1位で2013年に入団した東浜は、3年目で「このままじゃ終わるな」とプロの壁にぶつかった。行き詰まった時、相談したのが川村氏だった。川村氏が橋渡しをしてくれたことで、米ロサンゼルスでの自主トレが実現した。

 「そこから1軍で投げられるようになったので、僕にとって恩人です」。殻を破るきっかけを与えられたことで、16年は先発ローテーションに定着すると、17年に16勝を挙げ最多勝に輝いた。昨年、右肘を手術しリハビリ組で過ごしている間も「常に前向きな言葉を掛けてくれた」と感謝を口にした。

 シーズンまっただ中の訃報を受け入れるのは容易ではないが、前向きだった故人が求めるであろう振る舞いをしていくつもりだ。「試合は続くので、悲しいですけどしっかり頑張っている姿を見せ続けるのが僕らの仕事」。ウイニングボールを手渡されると、すぐに思いが浮かんだ。「今日のボールはしっかりお供えしたい」

 (鎌田真一郎)

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