琴奨菊が再出場、故障乗り越え白星 親方に送った動画

西日本スポーツ 手島 基

 ◆大相撲秋場所7日目(19日、東京・両国国技館)

 現状を受け入れ、最善を尽くす。土俵で培ったその信念、覚悟を映す厳しい表情。勝ち名乗りを受けても、再出場の琴奨菊(福岡県柳川市出身)が崩すことはなかった。くせ者の炎鵬に低く潜られると、右で抱えて上から圧力をかける。抱えられた左腕を抜いて右からひねろうとした炎鵬の腰砕けで白星を手にした。

 全治2週間の肉離れと診断された左ふくらはぎには幾重ものテーピング。懸命な治療、部屋の若い衆に胸を出させて立ち合いの当たりを繰り返した稽古の証しでもある。国技館での業務があり、朝稽古を十分に見られない師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)には「(けがをして)悔しい」「出たい」の言葉だけでなく、稽古の動画を送って再出場の許可を得た。

 「奥が深くて大好きな相撲を、悔いなく取り切りたい。困難にも正面から向き合う姿は下の子たちにも伝わると思う」。大関転落後も真摯(しんし)に土俵と向き合う幕内最年長の36歳は自身の言葉通り、逃げずに挑み続ける。6勝目を挙げた21歳の弟弟子、琴勝峰は「技術面も、精神面も教えてもらっている(琴奨)菊関の背中を見続け、追い掛けていきたい」と思いを受け止める。

 琴奨菊は取組後のオンライン取材には応じず、帰路に就いた。西前頭11枚目で2勝2敗3休。2005年春場所以来となる十両転落の危機とも闘う土俵に集中する。(手島基)

PR

大相撲 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング