ソフトバンク治らない「四球病」 オリックスと2球団だけの悩みの種

西日本スポーツ 倉成 孝史

〈鷹番が見た〉

 ◆ソフトバンク1-3楽天(19日、ペイペイドーム)

 首位ソフトバンクが6回途中まで投げたプロ初登板初先発の楽天ドラフト6位ルーキー滝中から1点しか奪えずに敗れ、連勝は3で止まった。本拠地ペイペイドームの入場制限が緩和され、観客は上限の1万2000人に迫ったが、六つの四球を与えた上、走塁ミスもあり、声援には応えられなかった。2位ロッテも敗れたため、2・5ゲーム差は変わらない。

 各球場で入場制限が緩和されたこの日、ペイペイドームには1万1937人もの観衆が集まった。試合は惜しくも敗戦。それでも「鷹の祭典」ということで試合後、通常は勝利時にしか鳴り響かない花火が、これでもかとド派手に鳴り響いた。久々に目にした生のプレーと球場でしか味わえない雰囲気に、客席を後にするほとんどのファンに、笑顔の花が咲いていた。

 そんな観客の表情だけを見るとまるで勝ったようだが、工藤監督は「お客さんにたくさん来ていただいたのに、という思いはあった。こういう時だからこそ、しっかり勝たなきゃいけなかったんだけど」と、強い悔しさをにじませた。それでも「残念だけど、勝つ時もあれば負ける時もある」と、すぐに気持ちを前向きにスイッチ。2位のロッテも敗れてゲーム差は、2・5のままだ。ファンの笑顔も示すように、ダメージは最小限の1敗と言える。

 ただ一方で、79試合を消化しシーズンも残り約3分の1となった中、大事な終盤戦へ向けての課題を残した敗戦だったことも確かだ。同点に追いついた直後の7回。前の回から登板し三者凡退に抑えていた高橋礼が、先頭の田中を四球で歩かせた。続く鈴木大には右前打を浴び一、三塁に。ここで前の打席まで3打席連続三振だった浅村に、中前適時打を許した。四球で出した走者に踏まれたホームが、決勝点となった。

 一時は1試合平均で5個近くまで迫ることもあったシーズン前半に比べれば改善しつつはあるが、今季は投手陣の「四球病」に悩ませられている。4回途中で降板した先発の笠谷は失点にこそ結びつかなかったが、4与四球。今季のチーム与四球数は315となった。リーグで300与四球を超えているのは、最下位に沈むオリックスと2球団だけ。最少のロッテとは、54個もの差がある。

 チーム防御率は12球団トップだけに、簡単に「四球=悪」とは言い切れない。ただ工藤監督が「四球を出さない投手はいないけど、先頭で出すとどうしても得点圏に走者が進んでピンチになってしまいがちになる」と認めたように、先頭への四球がそのまま黒星に直結してしまった形だ。

 特に僅差の試合では、この日のように一つの四球が命取りになる可能性が高い。連敗を喫したものの、しぶとく追いすがってくる2位ロッテは接戦に強く、ここまで「1点差ゲーム」は16勝7敗。かたやホークスは13勝13敗だ。与四球数が影響していることは否定できないだけに、より重圧のかかってくる終盤戦へ向けて課題の改善は急務と言えるだろう。 (倉成孝史)

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