中本ビッグ初V 共同通信社杯 【伊東温泉】

西日本スポーツ

 伊東温泉競輪(静岡県伊東市)のG2「第36回共同通信社杯」(優勝賞金2170万円)は最終日の21日、最終12Rで決勝戦を行い、2位入線の中本匠栄(33)=熊本・97期・S1=が山田英明の失格により繰り上がりで1着となり、グレードレース初優勝を果たした。中本は賞金ランクを12位まで上げ、KEIRINグランプリ(GP)の出場権争いにも顔を出した。第9Rで行われたガールズケイリンコレクション(ガルコレ)は高木真備が逃げた梅川風子を差し切って勝利。3度目のガルコレ制覇を飾った。4日間の車券売上額は76億8711万円(目標62億円)と盛況だった。

ヒーロー

 まさにドラマだ。いやドラマでも、ここまでの筋書きは描かない。ちょうど3年前(2017年)の9月21日。同じ伊東競輪のF1最終日に、中本匠栄は落車事故に巻き込まれて第5頸椎(けいつい)を骨折。レース復帰まで4カ月以上も要する大けがを負った。

 それ以来となる参戦だった今回、初めてビッグレース(G1、G2)の優出に成功すると、山田英明の失格で2着から繰り上がって優勝。アンビリーバブルなことが現実に起こった。「優勝を狙うよりも、ラインとして英さんをサポートする意識でいた。だから実感が湧きません」

 「(伊東は)正直、走りたくない気持ちが強かった」。因縁の地にやってきたのはF1で好成績を残し、初めて参加権利を得たG2だったから。優勝会見後に、報道陣から3年前の事故が同じ日だったことを知らされると「えっ本当ですか? レース前にそれを知っていたら、びびって走れなかったかも…」。これこそ偽らざる言葉だろう。身一つ、脚一本で賞金を稼ぐ勝負の世界。ほとんどの選手が験を担ぎ、プロ生活を無事に全うできることを願っている。中本が及び腰になるのも致し方ない。

 ただこれでG2タイトルホルダーの仲間入りしたのは間違いない。「今回はみんなに助けられての優勝。これを機に伊東を得意バンクに変えていきたいし、もっと脚力をつけて、九州ラインの先頭でしっかりと戦っていきたい」。熊本から誕生したニューヒーローが、低迷にあえぐ九州地区の底上げを買って出る。 (森川和也)

戦い終わって

 松浦悠(2着)山田さんの一発は想定外。脇本さんが止まったので自分で行くしかないと思った。中本さんを抜けていたらなあ。

 園田匠(3着)自分が先に中を割るわけにもいかず待った分、松浦君に抜かれた。

 新田祐(4着)スタートの位置で、脇本君が動くか動かないかのレースになった。松浦君に付いていったが、もうワンテンポ待てば良かった。

 岩本俊(5着)終HSで自分から行ったが、そこで吉沢君に内をすくわれたのが痛かった。

 山崎賢(6着)前を取ってもらったのでやりやすくなった。後ろが頑張ってくれただけに、もうちょっと残りたかった。

 脇本雄(7着)自分が近畿の先頭でやってきたことを、九州にやられる番だった。単騎勢が追い上げて内に詰まるのを避けるため、後ろから自分で行った。

山田無念の失格

 ○…1位入線の山田は、自分の失格が確定してから20分以上たって、報道陣の前に姿を現した。「気持ちの整理ができなくて…。お待たせしてすみません」と、サバサバした第一声。「あのスピードだと100%捲られてました。山崎君はあれだけの選手。それでも突っ張り先行してくれて、その気持ちに応えたかった」と、新田を押し上げた理由を述べた。賞金ランクでのGP出場へは痛すぎる失格だが、「賞金の積み上げには前に踏んだ方が良かったが、まだGPがダメになったわけじゃない」と、気持ちを奮い立たせていた。

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