ソフトバンク・ムーア「粘らないと…」メジャー54勝左腕を狂わせた鬼門の重圧

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆ロッテ7-4ソフトバンク(25日、ゾゾマリンスタジアム)

 敵地千葉での直接対決第1ラウンドを落とし、首位ホークスが2位ロッテに1ゲーム差に肉薄された。2回にデスパイネのソロで先制した直後、先発ムーアがバックの失策も絡んで5失点。3点を奪った7回の追い上げも及ばず、8回に突き放されて今季最長の連敗は1分けを挟み「5」に伸びた。完全にカモにされているロッテには4連敗。対戦成績も3勝9敗1分けと屈辱的な数字になった。

 ZOZOマリンのマウンドに初めて上がったメジャー54勝左腕が悪夢を味わった。1点を先制した直後の2回だ。8月末の復帰後は抜群の安定感を誇っていたムーアが、先頭の角中に直球を左前に運ばれ、続く井上にも右前打。無死一、三塁のピンチを招いた。

 ここで痛恨のミスが出た。藤岡をナックルカーブで平凡なゴロに打ち取ったが、併殺を焦った二塁の周東がこぼして三塁走者が生還。このタイムリーエラーで無死一、二塁と危機は継続。ムーアが「2回の場面は粘らないといけなかった」と悔やんだ局面となった。

 悪夢はここからが本番だった。2死まではこぎつけたが、得点圏に2人の走者を置いて昨年までソフトバンクでプレーした福田秀に、初球の甘いチェンジアップを狙い打たれた。勝ち越しの2点適時打を中前へ運ばれ、安田と中村奨にも適時打を浴びた。

 2ゲーム差で臨んだ首位攻防第1ラウンド。ムーアは「相手は関係ない。やるべきことをやる」と平常心を強調したが、チームが数々の悪夢を体験した敵地の重圧は微妙な狂いを生じさせたのかもしれない。2回は打者10人に6本の長短打を許し、5点を失った。

 「3回以降は修正できた。調子は悪くなかった」と振り返った通りに、その後は自身3連勝中だった好調さを取り戻した。来日最長の7回1/3、同最多の115球の力投も及ばず、今季2敗目。最後まで2回の失点がのしかかった敗戦に、助っ人の表情は硬かった。

 1分けを挟んで今季最長を更新する5連敗。黒星の連鎖を止められなかったムーアを、工藤監督は「ストライクをそろえすぎた部分はあったが、2回は不運な当たりもあった。その後も8回途中までいってくれた。よくやってくれた」と責めることはなかった。

 大量失点につながった失策を犯した周東も「こういうことをきっかけに成長していってほしい」とかばった。ロッテにはこれで4連敗。8勝17敗だった昨季に続き、今季も3勝9敗1分けと黒星が先行するが、残り11試合の直接対決も見据えてまずは成長を促した。

 ロッテに1ゲーム差に肉薄され、次カードで戦う3位楽天とは4・5ゲーム差。工藤監督は「こういう経験を、チームにとっても前を向いてやるきっかけにしてほしい。負けたら悔しい。それは次に晴らさないと」と言い切った。続けて「皆さんには期待してほしい」。短い言葉に決意を込めた。 (山田孝人)

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