ソフトバンク周東が見せる変身 ベンチで涙した2週間前との違い

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆ロッテ3-7ソフトバンク(26日、ZOZOマリンスタジアム)

 敵地千葉での首位攻防第2ラウンドは、周東佑京内野手(24)が名誉挽回の大活躍でヒーローとなった。2位ロッテに1ゲーム差に肉薄された前日25日は大量失点につながる失策を犯したが、この日は3安打4打点と打ちまくり、二塁守備でも好守を披露した。チームも今季最長の連敗を「5」で止め、ロッテ戦の連敗も「4」でストップ。先発の東浜も粘りの投球で5勝目を挙げ、ロッテとの差を再び2ゲームに広げた。

 ベンチで涙を流したのは、もう過去のこと。たくましく成長を続ける男は、前夜に喫したミスに真っ向から向き合い、糧として、グラウンドでは誰よりも輝いてみせた。周東が走攻守で躍動して、1分けを挟んで5連敗中と、苦しかったチームを鮮やかに救った。

 まずはバットだ。2回2死二、三塁、中村稔の初球の真っすぐを中前へはじき返す先制の2点打。「積極的にいこうと試合前から決めていた。僕にとっても大きかった」。さらに2点リードの3回2死満塁では再び中前へ2点打だ。2打席連続適時打で、自己最多タイの1試合4打点。9回の遊撃内野安打も含め、1試合3安打以上は今季2度目だ。

 悔しい思いが募る守備でも光った。5回には藤岡の中前に抜けそうな打球に鋭い反応で追いついて、華麗なジャンピングスローを披露した。走っても9回の内野安打後に、けん制に誘い出されて一、二塁間で挟まれたが、粘って最後は相手の横をスルリと抜けて一塁に帰塁。「セーフになれば盛り上がるかなと思った」とニヤリ。とことん周東が目立った1日となった。

 深夜の努力を経ての輝きだ。前日25日のカード初戦は併殺を焦ってゴロを捕り損ねた失策が大量失点につながって、チームも敗れた。「(最近は)僕のミス絡みで負ける試合も多かった。悔しくて眠れなかったので、自分の映像を見返していた」。夜中の3時半まで何度も繰り返して凝視した。

 「なぜそんなミスをするのか、自分で分かっていないと。本多(内野守備走塁)コーチに言っていただくだけではいけない。自分が変わらないと」。分析したのは打球に対する一歩目の速さの部分などだった。試合前練習では本多コーチに見てもらいながら、徹底して意識し汗を流した。

 もちろん簡単には切り替えられない。だからこそ「周りにも見えるよう気持ちを前にと。それが最初の打席だった」と心を鼓舞していたことも明かした。12日の西武戦では2失策を喫して涙を流し、大きく落ち込んだ。スタメンを外れたこともあったが今度は違う。優勝争いの中、周囲のサポートも受けながら2週間後には著しい成長を示した。

 雨模様から一転、晴れに表情が変わった周東に工藤監督も目を細める。「日々試合に出る中で、絶対的なものではないけど、少しずつ何かをつかみつつあるね」とうなずいた。笑顔になった周東と同様に、2位ロッテとは再び2差に。西武に敗れた3位の楽天とも5・5差に広がるなど、チームにも一夜で明るさが戻った。対ロッテ戦の連敗も4で止まり、残り4試合続く敵地での上位対決へ、弾みのつく1勝となりそうだ。 (山田孝人)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ