五輪参加標準まで2cm 工学部出身「第3の男」、“倍返し”で切り開く五輪の道

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 10月1~3日に開催される陸上の日本選手権(新潟市・デンカビッグスワンスタジアム)で、伸び盛りの九州勢が頂点を狙う。児玉芽生(福岡大3年)は今月中旬の日本学生対校選手権女子100メートルで日本歴代3位の11秒35をマーク。今大会は昨年制した200メートルとの2冠を目指す。男子走り高跳びの真野友博(九電工)も今月の全日本実業団対抗選手権を日本歴代4位タイの2メートル31で制した。ともに日本選手権で日本一の称号をつかみ、来夏の東京五輪につなげたい。

■今月 日本歴代4位タイ2メートル31

 地元で味わった屈辱を晴らす時が来た。初制覇を目指す真野は「昨年のリベンジを兼ねて2メートル30以上を跳んで優勝したい」と“倍返し”の決意を込めて新潟に向かう。

 練習拠点の福岡で開催された昨年の日本選手権でまさかの記録なしに終わった。「地元開催で優勝するという強い意気込みがあったけど、それが空回りしたというか」と悔やむ。

 もともと「メンタルが弱い方」と自覚。緊張で足をつることもある。昨年の大会後、「試合を楽しむ気持ちで取り組むようにしている」と発想を切り替えた。以前は競技中、一人で集中して入れ込み過ぎていたが、合間に他の選手と談笑してリラックスに努めている。

 技術面でも改良を加えた。自己ベストを2メートル28まで伸ばした昨季終了後、「(2メートル)30以上を狙うには」と助走の歩数を変更。これまでから2歩増やして11歩とし、持ち味のスピードをより生かす形にした。

 今月20日の全日本実業団対抗選手権では、日本歴代4位タイの2メートル31に成功。東京五輪の参加標準記録2メートル33は失敗したが「意外と高さは感じなかった。合わせていけば跳べるかな」と手応えを感じている。

■記録を20センチ更新 福大時に急成長

 広島・山陽高まで全国的に目立った成績はなかった。福岡大進学後、同じ走り高跳びで1980年モスクワ五輪代表だった片峯隆・部長兼監督の指導を受けて急成長。4年間で自己記録を20センチ近く伸ばした。

 大学では工学部に所属し、陸上部OBが過去に多数在籍した九電工には一般の技術職で内定をもらっていた。だが、その後も記録が伸び続け「まだまだいけると思った」。会社側とも調整し、母校を拠点として競技を続ける道に方針転換した。

 男子走り高跳びは日本記録保持者の戸辺直人(JAL)と、リオデジャネイロ五輪代表の衛藤昂(味の素AGF)が2強だ。真野は東京五輪について「視野に入ったというか、近づいてきたなという部分はある」。頭角を現した「第三の男」は自信を胸にさらなる高みを目指していく。 (伊藤瀬里加)

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