ナイターなのに目の下には黒い…ソフトバンク栗原がまねるメジャーの新星

西日本スポーツ 長浜 幸治

〈鷹番が見た〉

 ◆楽天2-6ソフトバンク(29日、楽天生命パーク宮城)

 ホークスの若きスター候補生がよみがえった。栗原陵矢捕手(24)が5回に約1カ月ぶりのアーチとなる勝ち越し3ラン。9月の打率が1割台と低迷し一時はリーグトップを争っていた得点圏打率もガクンと落ち込んでいたが、3試合ぶりのスタメン出場で不振を大脱出した。チームは3カードぶりの初戦白星。1ゲーム差のままピタリと2位につけるロッテに上から重圧をかけ続ける。

■則本昂粉砕V3ラン

 3試合ぶりにスタメン復帰した栗原が「復活弾」を放った。同点の5回1死一、二塁で則本昂の内角高め直球を右翼席にたたき込んだ。「スタメンと言われてなんとかしてやろうと思った。久しぶりに内角の球を芯で捉えられた」。8月28日の日本ハム戦で初の1試合2発を記録して以来、約1カ月ぶりの一発となる12号3ランが決勝弾。アイブラックを入れた顔に久しぶりの笑顔が広がった。

 9月の打率は1割台中盤と不振を極めていた。開幕から84試合連続先発出場はチーム最長。その記録も26日のロッテ戦で途切れてしまった。「もちろん悔しかったし、ここにきてという思いもあった」。それでも腐らず試合中も声を出し続けた。「ベンチからの景色を改めて見て、もう一回やってやるぞと感じた」と懸命に前を向いた。

 わらにもすがる思いを感じたのは24日のオリックス戦だ。打席に入った栗原を見ておや、と思った。目の下にアイブラックが入っていたのだ。通常、デーゲームなどで太陽光のまぶしさを軽減するために入れるものだが、この試合はナイター。何より、球場が屋外ではなくペイペイドームだった。理由は何かと思いを巡らせていると、ふと米大リーグ・パドレスのタティスの顔が頭に浮かんだ。

■3戦ぶりスタメン

 栗原より3歳下の21歳。昨季メジャーデビューし、いきなり22本塁打をマークしたスター候補生だ。高い身体能力を持つ右打ちの内野手で自身とはタイプが異なるが、栗原は「ワイルドでかっこいい」と目を輝かせる。8月中旬からホームランや安打を打った際に右手をベルト付近で水平に動かすパフォーマンスもタティスをまねたもの。そんなお気に入りのタティスばりのアイブラックを入れた栗原の姿から、不振を脱するために何かを変えようとする必死さが透けて見えた。

 9回に遊撃への内野安打を放った際には一塁へのヘッドスライディングを見せた。鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように躍動した24歳に、工藤監督も「悔しかったと思うけど、しっかり結果が出てよかった」と目を細めた。その上で「この世界は結果。これからまた頑張って自分で(レギュラーを)つかんでいかないといけないよ」と声を掛けたことを明かした。

 チームは3カードぶりに3連戦の初戦で白星を挙げた。ロッテとはなお1ゲーム差と激しい争いが続く。よみがえったホークスのスター候補生がラストスパートに向けて輝きを放つ。 (長浜幸治)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ