「E判定」から2浪して東大野球部入部の夢かなえた甲子園球児

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 東京六大学野球の東大に今年、12年ぶりとなる甲子園球児が2人入部し、注目を集めている。そのうちの1人、別府洸太朗外野手(1年)は2017年夏の甲子園に出場した東筑高(福岡)のベンチ入りメンバーだ。2浪して理科一類に合格。コロナ禍で遅れたが、8月から練習に参加している。甲子園経験者の東大野球部入りは08年入学の中村信博さん(高松高出身、現NHKアナウンサー)以来。静岡高出身で18年選抜大会ベンチ入りの梅林浩大内野手(1年)と共に活躍が期待されている。

 思い切り白球を追える喜びをかみしめている。別府は8月1日から東大の練習に参加。新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年生の合流が遅れ、チーム練習に参加するのは東筑高3年の2017年夏以来となった。

■8月から練習参加

 「コロナの影響で3年ぶりになったので、張り切りすぎてけがをしないように気を付けようと思う」。はやる気持ちを抑え体をつくり直している。

 17年夏の福岡大会は背番号9のレギュラーだったが、準々決勝の右翼守備で負傷。その影響もあって準決勝以降は控えに回った。チームが21年ぶりに夏の甲子園出場を果たした時の背番号は14。出場機会を得られないまま初戦の済美(愛媛)戦で敗れた。

 東大との出合いは、不完全燃焼の夏を終えた直後だった。毎年恒例の東大野球部の練習会に参加し「六大学は甲子園に出た人たちと戦える。東大はその中で勝つために全力でやっている感じがいいと思った」。スター選手が集まる神宮でのプレーを目標に、第一志望を東大に設定した。「判定は(一般的に合格率20%以下の)Eです」という成績から一念発起。2年の自宅浪人の末、理科一類の合格を勝ち取った。

 1日9時間に及ぶ猛勉強を続けた原動力は、甲子園のグラウンドに立てなかった悔しさだった。「あそこでけがなくスタメンだったら東大は志望していなかった」。コロナ禍で、前期は福岡の実家からオンラインで、授業や野球部のトレーニングに参加していた。

 我慢の時を経てチームに合流し、8月の東京六大学春季リーグ戦を神宮球場のスタンドから観戦。「テレビでは見ていたけど、実際に入ると迫力があり、勉強してよかったと思った」と感激。通算でリーグ戦51連敗中のチームにとっても期待の戦力となりうるだけに「相手投手の球は速いと思うけど、力負けしないようにしたい。(アピールポイントは)肩と打撃」と力を込める。

 東京六大学には、高校の1学年下でエースだった石田旭昇投手(法大)、同学年で17年夏の福岡大会決勝を戦った福岡大大濠高出身の三浦銀二投手(同)らがいる。「受験勉強でだいぶ差が開いたけど、少しでも戻して対戦できたら」。かつてのチームメートやライバルと相まみえる日を目指し、バットを振り込む。 (伊藤瀬里加)

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