ドラフト待つ異色の154キロ右腕 複数球団が注目の準硬式エース、プロ志望届提出も手探りで

西日本スポーツ 前田 泰子

 26日に迫ったプロ野球のドラフト会議でプロ入りを目指す高校生、大学生が提出するプロ志望届が12日に締め切られた。九州・沖縄からは高校生37人が日本高野連、大学生11人が全日本大学野球連盟に提出。異色の存在は福岡大準硬式野球部のエース大曲錬(4年・西日本短大付)だ。準硬式のボールで最速154キロを誇る本格派右腕。コロナ禍で今春公式戦が中止となり、今夏からプロ入りを目指して硬式野球部の練習に参加。準硬式出身のプロは非常に少なく、全日本大学準硬式野球連盟へのプロ志望届も「手探り」で提出。狭き門を突破しての指名を待つ。

■7月から硬式練習

 ドラフト会議まで1カ月を切った9月下旬。福岡市の福岡大野球場に数球団のスカウトが集まっていた。目当ては最速154キロを誇る準硬式野球部のエースで、7月から硬式野球部に交じって練習する大曲だった。

 高校以来の感触を確かめつつ投げている硬球の感触は「指にかかった感じがはっきり分かるので投げやすい。球も大きく感じる」と口にする。シート打撃では硬式野球部のレギュラークラスを次々と抑え、「伸びてくる感じ。すごい球が来る」と目を見張らせた。

 横手投げだった福岡・西日本短大付高時代は伸び悩み、野球を断念することも考えた。高校の指導者の勧めで準硬式野球のスポーツ推薦で福岡大に進学。遠投100メートル超の強肩など身体能力は高く、準硬式で上手投げに変えて本格開花した。

■大学入り才能開花

 福岡大で登板した試合はほとんどで完投。「なるべく疲れないように」と力感のない柔らかいフォームを完成させ、3年時には150キロを突破。「春からスカウトの人が見に来るようになり、もしかして行けるかもと思った」と本気でプロを意識した。

 今春リーグ戦は2試合に登板したものの、コロナ禍で中止。全国大会もなくなったが、走り込みやキャッチボールが中心の自粛期間にトレーニングや食事の量を増やし、体重は春から5キロ増の78キロに。下半身も大きくなった。その成果もあり、訪れたスカウトを「球の質がいい」とうならせた。

 準硬式からは硬式の社会人へ進む選手もほとんどおらず、異例のプロ志望。硬式野球部の部員は全日本大学野球連盟にプロ志望届を提出するが、準硬式野球部は全日本大学準硬式野球連盟に加盟しており、同連盟へのプロ志望届提出も「手探り」で行ったという。

 大学の準硬式野球からプロに進んだ選手は、同大からドラフト6位で2000年に入団した西武、広島で通算9勝の青木勇人(現西武3軍投手コーチ)らがいる。「まだ体もできていないし、プロで指導を受ければもっとうまくなれるんじゃないかと思うんです」。異色の右腕がドラフトで全国の注目を集めそうだ。 (前田泰子)

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