ソフトバンク炎の完封リレー あれから20年…藤井将雄さん命日だった

西日本スポーツ

 ◆オリックス0-2ソフトバンク(13日、京セラドーム大阪)

 急きょ「週アタマ」を託された笠谷俊介投手(23)が5回無失点と好投し、打線も周東佑京内野手(24)の先制V打などで援護して31イニング無失点を続けていたオリックス先発の山本に土をつけた。笠谷を含めた5投手でゼロ封リレー。福岡ダイエーの「炎の中継ぎエース」こと藤井将雄さん(享年31)の命日に後輩の中継ぎ陣も奮闘し、天国の先輩に勝利を届けた。

 「週アタマ」の抜てきに笠谷が応えた。6連戦の初戦を託されてきた千賀の疲労なども考慮し、球界屈指の剛腕オリックス山本との投げ合いに指名されたのは6年目のサウスポー。「聞いたときはビックリした」と口にしていた左腕が堂々と渡り合った。

 初回は先頭福田に内野安打を許すが、続く佐野を144キロの直球で右飛に抑えると、甲斐の盗塁阻止にも助けられ3人で封じる。高いとされる京セラドーム大阪のマウンドにも適応した。2回から「少し立ち投げで、上からたたきつけるように」と修正すると安定感が増した。

 打者からは低めでも浮き上がってくるように見える特徴的な直球は最速146キロをマーク。そこにカーブ、チェンジアップがさえ2回以降は安打を許さず。自己最長に並ぶ5回を被安打1、無失点に抑え込んだ。

 「特徴」が消えた2018年はどん底を見た。春先、カットボールを投げているうちに直球の投げ方が分からなくなったという。「真っすぐは僕の中で変化球の一つ」と自信を持つ、他の投手との軌道と一線を画す“魔球”は最大の武器。そのボールが試合でも投げられず「3ボールからでもサインがスライダーだった」と曲がり球ばかり投げた試合もあった。

 高い能力を花開かせるためにも首脳陣は今季、短いイニングから成功体験を積み重ねて自信を付けさせた。着実に成長を遂げる左腕は今回の登板前、石川から「カード頭は大事だぞ!」と冗談交じりにプレッシャーをかけられても、動じなかった。

 文句なしの投球をしていた孝行息子を、工藤監督は6回から高橋礼にスパッと代えた。「(迷いは)ない。6回からは泉君か高橋(礼)君でと。7、8、9はね」と計算通りの必勝リレーに入った。

 指揮官が「彼が7回を投げてくれれば、他の投手の疲労度が変わる」と最終盤のキーマンに指名した岩崎がクリーンアップを3人で封じると、8、9回はモイネロ、森の盤石の2人につないでリードを守り切り、サヨナラ勝ちした2位ロッテとのゲーム差も「2」のまま。20年前のこの日、1999年のダイエー初優勝に貢献した藤井将雄さん(享年31)が他界。ダイエーのエースだった工藤監督が弟分のようにかわいがっていた「炎の中継ぎエース」の命日に、後輩の救援陣たちが一丸となったゼロ封リレーで奮闘した。

 山本より早く降板したとはいえ、剛腕に投げ勝った笠谷は3勝目をゲット。「もう最終盤に入っているので(自分に)やらなければいけないというプレッシャーをかけている」。3年ぶりのペナント奪還へ、炎の1勝がラストスパートを加速させた。 (鎌田真一郎)

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