福岡11連勝を導いた、電光石火の「10秒間」 重なった衝撃的光景

西日本スポーツ 末継 智章

〈現場で見た〉

 ◆明治安田生命J2第26節 新潟1-2福岡(14日、デンカビッグスワンスタジアム)

 J2アビスパ福岡が新潟を2-1で破り、クラブ記録を更新する11連勝を飾った。前半にドウグラスグローリ(31)のヘッドで先制し、同点とされた後半はカウンター攻撃から福満隆貴(28)が決勝ゴール。岡山と引き分けた首位徳島と勝ち点52で並び、得失点差の2位に詰め寄った。3位ギラヴァンツ北九州はアウェーで甲府に敗れ、4位V・ファーレン長崎も敵地で磐田に敗れたが、順位は変わらなかった。

 思わずペンが止まった。同点に追いつかれた直後の後半26分。相手CKをはね返し、遠野が空中戦で競り勝ったところから福岡のカウンターがさく裂した。こぼれ球を拾った増山がドリブルで60メートル以上駆け、DFを引きつけてから福満へパス。カウンター開始から福満のゴールまでたった10秒で挙げた決勝点だった。

 「追いつかれて悪い雰囲気だったけど、どこかで一本チャンスがあると思っていた」と興奮気味に振り返る増山を見て、2年前にロシアで見た歴史的瞬間を思い出した。ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦の日本-ベルギー戦。同点の後半ロスタイムに日本がCKからのボールを相手GKに取られ、そのままカウンターから決勝点を決められた「ロストフの14秒」だ。

 試合後の会見で西野朗監督(当時)が「あんなスーパーなカウンターが来るとは思っていなかった」と脱帽したように、CKを止められた時点で延長戦が頭によぎった日本と、最後の最後まで勝利を追い求めたベルギーの集中力と執念、走力に世界との差を痛感した。

 舞台は違えど「アビスパの10秒」にも集中力と執念があった。増山と福満はともにサイドハーフで、守備では前線から最終ラインまで幅広いカバーが求められる。体力的に限界に近かったはずの2人だが「(遠野)大弥なら競り勝つと信じて走った」と最後の力を振り絞った。

 増山は強調する。「連勝を止めるのは負けに等しいと思っていた」。ここまで勝利を意識させたのは長谷部監督だ。10日の甲府戦前、現役時代の1995年にヴェルディ川崎(現東京V)で12連勝した体験を選手に話し「連勝しようという気持ちになれるかも、勝ち続けるためには必要だ」と訴えていた。

 敵地でも勝ちに徹し、福岡ブルックス時代の95年にジャパン・フットボール・リーグ(旧JFL)で記録した開幕11連勝に並んだ。「先人の記録に並んだのは誇り。次は塗り替えさせていただく」と豪語した長谷部監督の口調に、J1昇格への自信が見えた。 (末継智章)

 福岡・福満(カウンターから決勝点)「よく(増山)朝陽が持ち込んでくれて、得意とする形にもっていけた。追いつかれて苦しい時間が続いていたので、チャンスがあっても1、2本と思っていた。決められてすごくうれしい」

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