千賀快投の舞台裏「気づいてても直せない」を解決した工藤監督の助言

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆オリックス0-4ソフトバンク(14日、京セラドーム大阪)

 今の鷹は相手チームに得点を許さない。今季初めて中7日で先発した千賀滉大投手(27)が6回10奪三振の力投で今季8勝目。救援陣も好投し、チーム記録に並ぶ3試合連続零封勝ちで4連勝だ。チーム防御率12球団トップの投手陣が30イニング連続無失点と「無敵モード」に突入し、楽天に敗れた2位ロッテとの差を3ゲームに広げた。点を取られなければ負けない。歓喜のゴールが近づいたか…。

 「0」のバトンをエースが引き継いだ。今季初の中7日で水曜日に登板した千賀はマウンド上で自信に満ちていた。「今日は大丈夫だろうという良いメンタルだった」。2試合連続無失点の投手陣に刺激を受けた右腕は、ストライク先行で相手打線を圧倒した。

 アクセルを踏み込んだのは0-0の6回1死一、二塁。この試合前まで対戦打率6割1分5厘と打ち込まれていた吉田正を迎えた場面。2球で追い込み、間髪入れず3球目に勝負球のフォークを投げた。当てられたが遊直。「これで(吉田正と)バッピ(打撃投手)契約しなくてよくなったと一安心」。冗談も交えて胸をなで下ろした。

 前回登板の6日の西武戦まで4試合連続で先制点を許していたエースが、5試合ぶりの無失点。6回を100球で被安打4、今季5度目の2桁となる10三振を奪い、チーム単独トップの8勝目を手にした。

 「週アタマ」を任されてきた右腕には疲労がたまっていた。今季15試合に投げて責任投手にならなかったのは1度だけ。背負うものは大きく、9月15日の日本ハム戦で自己最多148球を投げてから、121、132、142と球数がかさんだ。

 前回登板の翌日、工藤監督と蓄積疲労について話し合った。実働29年で通算224勝を挙げた大先輩のアドバイス。「気付いていても治せないものの解決法の引き出しが(監督には)ある」。テークバックの間が取れず、フォームを狂わせていた。長い距離でカーブを投げる練習法を授かり、1日延びた調整期間に取り入れて修正した。

 「(腕の)上がりがスムーズになって、間がしっかり取れていた。何とかしないといけないという思いが彼の体を突き動かしている」。工藤監督は限られた時間でパフォーマンスを上げたエースをたたえた。

 今回は球数に制限を設けたため、7回からは泉にスイッチ。その後も松本、杉山と前日の13日とは全く違う顔ぶれで零封リレーを完成させた。球団記録に並ぶ3試合連続無失点勝利は9年ぶり。2015年の工藤監督就任以降、2試合連続零封勝ちは7度あったが8度目で記録を伸ばせた。「先発もそうだし、中継ぎの人が何人出てきても、いつもゼロで抑えている印象が強い。いい相乗効果だし、良い雰囲気。ゼロなら負けは絶対ない」と千賀は他の投手陣を絶賛する。

 今季100試合目に選手層の厚さを見せ、4連勝を飾った。2位ロッテとの差を3ゲーム以上に広げたのは9月3日以来。ラストスパートを「残り20試合」としていた指揮官の想定より少し早くゴールへ猛進し始めた。 (鎌田真一郎)

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