バレンティン12打席連続無安打 不振の大砲をソフトバンクが使い続ける意図は

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク7-3楽天(16日、ペイペイドーム)

 8回。3番手の高橋礼が2死一塁を投ゴロに抑えると、勢いよく一塁側カメラ席寄りのベンチから出てきた。そして、手に持つバットを川島の足にスリスリとこすりつける。初回にチーム初安打を放っていた男の何かにすがりたかったのだろうか。打席へ向かうバレンティンからは、そんな思いが見て取れた。

 しかし、現実はそう甘くはなかった。初球。楽天6番手津留崎が投じた真ん中付近の甘い直球を見逃すと、2球目は見送ればボールと判定されそうな変化球をひっかけ、ボテボテの遊ゴロに倒れた。これで先発出場を続ける14日のオリックス戦から3戦連続無安打。凡打の内容も悪く、連続打席無安打は12まで伸びた。

 アンラッキーといえばそうかもしれない。この日も相手先発が左腕の塩見ということで3戦連続で先発に名を連ねたが、初回は2番川島からの6連打で早々と攻略。バレンティンもその流れに乗りたいところだったが、自身の打席が回ってきたところで右の酒居に交代してしまった。

 結局、その後に対戦した3投手もすべて右投手で、快音を響かすことはできなかった。150キロ超の速球でグイグイ押してくるジョンソンとの対戦では力負けしたくなかったのか、素人目に見ても踏み込む左足が開きまくりなのが分かるほどで、状態の悪さが如実に出ていたように思う。

 試合後、工藤監督はバレンティンの打撃について「なかなか時間がかかっているけど、もうちょっとかなと。まあ(試合に)出られるときは出ないと(打撃の)感覚が戻ってこない。打撃コーチとも話をしながら(試合に)出られるときは出せるように(したい)」とそれほど深い悩みとしては捉えてなさそうだった。

 しかし、バレンティンは10月2日の1軍再昇格後、外野に飛ばした打球は22打席でわずか2本のみ。11日の中前打と14日の左飛だけではやっぱり物寂しい。首脳陣もその思いがあるからこそ、早く本来の打撃を取り戻させようと試合で起用するのだろうが、果たしてその時期はとっくに過ぎたのではなかろうか。

 股関節に不安を抱えるバレンティンは1軍再昇格直後、ファーム行きを願い出たとも聞くが、デスパイネも不在のいま、長距離砲2枚を同時に欠くことを首脳陣は嫌ったのだろう。ただ、ポストシーズンも含めた今後の戦いを見据えると、DH枠はもっと有効活用すべきではなかろうか。指揮官の言う「厳しい戦い」が続くからこそ、その思いは日増しに強くなっていく。 (石田泰隆)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ