九州に独立リーグ構想 ソフトバンク3軍とホーム&ビジター戦

西日本スポーツ 森 淳

 コロナ禍の年、九州で野球の独立リーグ設立の動きが加速してきた。熊本県で「火の国サラマンダーズ」、大分県で「大分B-リングス」が、それぞれ県初のプロ球団として誕生。「九州独立プロ野球リーグ設立準備室」が11月4日に福岡市内でリーグの設立会見を行う予定で、来年3月の開幕を目指している。これまでの経緯を追った。 (森 淳)

 熊本県を拠点とするプロ新球団は、チーム名を公募の結果「火の国サラマンダーズ」に決め、ソフトバンクなどで活躍した元投手の馬原孝浩氏を「ピッチングゼネラルマネジャー」として指導者に迎えたことを発表した。来年3月の開幕を目指し、大分とともに活発化する九州の独立リーグの動き。具体化したのは1年前だった。

 熊本県でプロ球団創設を目指す同県内の企業、県議に、同県出身でバスケットボール男子Bリーグ福岡の社長を退いたばかりの神田康範氏が合流。社会人野球の熊本ゴールデンラークスを母体にプロ化することとなり、昨年11月に運営会社が設立され、同時に独立リーグ構想も始動した。

 大分県では今年に入り、地域のスポーツクラブを運営するNPO法人の理事長・森慎一郎氏がこの構想を聞いて、球団創設へ動きだした。今年9月に熊本が記者会見し、球団設立と大分を含めた独立リーグの構想を発表。コロナ禍で予定が繰り下げになったが、当初は4月ごろの発表を見込んでいたという。9月には「大分B-リングス」の運営会社も設立された。

 スポンサー獲得に奔走した両球団。コロナ禍の状況でも門前払いは少なく、興味を持って受け止められているという。両県ともJリーグのクラブがある一方、もともと野球が盛んな地。経営者に野球への関心が高い世代も多い。

 掲げる理念は両球団でおおむね共通している。第一に日本野球機構(NPB)の球団入りを目指す選手にプレーの場を提供すること。地域貢献にも力を入れ、選手のセカンドキャリア支援で還元する考えもある。また近年、地震や水害といった災害に見舞われた地だけに“野球県”の価値を創出し、活性化したいともいう。

 かつても九州の独立リーグ設立の動きはあった。長崎セインツが2007年に設立され、福岡レッドワーブラーズと四国・九州アイランドリーグ(当時)に08年から参戦。九州リーグの準備を並行するはずが、経営難で福岡が10年からリーグ参加を断念し、長崎も同年で解散した。当時日本もリーマン・ショックから社会不安の中にいた。

 当時の動きと今回は別だが、くしくも社会の危機的状況での再興となった。独立リーグの試合は両球団間、ソフトバンク3軍とホーム・ビジターで行うほか、四国アイランドリーグplusの球団、沖縄県でNPB参入を目指している琉球ブルーオーシャンズをホームに招く構想がある。

 体制づくりはこれからだ。熊本ではゴールデンラークス選手の進路を調整中。大分は母体がなくゼロから選手を集める。まだ首脳陣も固まっておらず、11月に予定する選考会は監督不在で迎える可能性が高い。熊本は年間予算を1億1500万円と想定。これまでに約7割を集めたというが、なお資金集めは続く。

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