フェンシングと重量挙げ両方で五輪代表の期待!スーパー中学生がいた

西日本スポーツ 末継 智章

 全く異なる二つの競技で将来の五輪代表候補として期待されるスーパー中学生がいる。昨夏の全国中学生フェンシング選手権大会男子サーブルで優勝した福岡・席田(むしろだ)中3年の伊藤羽舷(ひげん)。昨年末には全国の将来性あるアスリートを発掘する「J-STARプロジェクト」で重量挙げでの可能性も見いだされ、スカウトを受けた。「どちらも魅力がある」と“二刀流”を続ける15歳は来春の高校進学を機に競技を絞る考えだ。

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 あふれる才能の一端を見せた。9月に福岡県内で行われた重量挙げの九州中学生選手権。男子61キロ級の伊藤はスナッチ58キロ、ジャーク70キロの自己新を出して関係者を驚かせた。日本中学記録(スナッチ84キロ、ジャーク105キロ)には遠く及ばないが昨年12月にバーベルを持ち始めたばかりで、練習は週1回程度。日本協会理事も務める八幡中央高の守昌宏監督は「経験が浅いのに、6回の試技を全部成功させたのがすごい」とうなった。

 先に開花したのはフェンシングの才能だ。小学4年時の福岡県のタレント発掘事業で勧められ、強豪の福岡魁誠高(福岡県粕屋町)で練習。「相手の裏をかくのが魅力」と駆け引きを磨くと中学2年で全国制覇した。それでも「他のスポーツでも可能性があるのではと考えた」と伊藤。昨年末に全国の中学生20人によるJ-STARプロジェクトの測定に参加し、垂直跳びでトップの66センチを記録したことが重量挙げの指導者に注目されるきっかけになった。

 垂直跳びに欠かせない瞬発力が両競技での高評価を生んでいる。小学4年から陸上にも取り組み、6年時に全国小学生陸上競技交流大会福岡県予選会で男子100メートルを制覇。このダッシュ力が県のタレント発掘事業では静止した状態から一気に突くフェンシングに向いていると判断された。

 一方で日本ウエイトリフティング協会の武井多加志選手強化委員も「重量挙げもバーベルを一気に引き上げるのに不可欠な瞬発力が重要」と説く。さらに一番高い位置まで挙げた際、手に力を入れると同時に足を踏み込む必要もあるが、武井氏は「足の踏み込みと同時に手に力を入れるのはフェンシングと似ているので、伊藤君はすぐ挙げられた。本気で専念すれば糸数(陽一)選手と同じレベルに達するのでは」と、2017年世界選手権男子61キロ級銀メダリストを引き合いに出した。

 伊藤は「自分との闘いで記録を更新すれば成長を実感できる重量挙げも面白い。まだどっちに進むか言い切れない」と進路に悩む。それでも未来図は一つ。「8年後のロサンゼルス五輪には何らかの競技で出る」と思い描いている。(末継智章)

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