異例!全日本選手権にパラ車いす選手が出場「念願かなった」期待の星

西日本スポーツ 林 原弘

 東京パラリンピックのアーチェリーのリカーブ女子代表に内定し、31日開幕の全日本選手権(愛知・岡崎市龍北総合運動場)に出場する重定知佳(37)=林テレンプ、北九州市出身=が、同選手権での予選突破を目標に掲げた。健常者、身障者が区別なく日本一を争う同選手権にパラの車いす選手が参加するのは異例。国内最高峰の舞台での腕試しに燃えている。

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 厚い壁を突破し、文字通りの日本一を決める舞台に東京パラ期待の星が臨む。同選手権に出場したパラの車いす選手は、1976年の岡西三千夫(88年ソウル・パラリンピック男子団体銅メダリスト)がいるが数少ないという。重定は「念願だった国内最高峰の大会への出場がかなって大変うれしい」と喜んだ。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で試合が減り、出場条件が変更された。昨年9月17日から今年9月21日までの全日本アーチェリー連盟公認競技会の70メートルラウンドで620点を1度出すことで、重定は3月の大会でクリアした。例年は620点を2度が条件。アーチェリーのルールは健常者と障害者でほとんど変わらず、自己記録が634点の重定は出場を狙っていた。

 大会には、2012年ロンドン五輪団体銅メダリストの早川漣(デンソーソリューション)ら東京五輪を狙う選手も多くエントリー。健常者のトップ選手は670点近くを出すだけに、重定は「胸を借りるというか、いい経験になるのは間違いない。まずは予選(64人が32人)を突破したい。実力を全て出し切らないとそれも厳しいが、少しでも上を目指す」と意気込んだ。

 コロナ禍で3月に練習拠点の北九州市のアーチェリー場を使えなくなり、福岡県や佐賀県内を転々。4月7日に政府の緊急事態宣言が福岡県に出されると外出もできなくなり、ウレタン製の的を買って8畳の自室で2メートルの距離を撃ってきた。「1日6時間はやっていた練習が自信の源だったのに、独居房みたいな生活にうんざりして2時間しかできなかった」と振り返る。

 体力、筋力が大幅に落ち、5月にアーチェリー場での練習を再開すると一時は弓の重さを約3キロ軽くした。「東京パラリンピックの延期が決まった時はもっと強くなれる時間ができたと思った。ここまで練習できなくなるとは…。本当につらかった」。全日本選手権は来年への弾みをつける大会。「東京パラで金メダルという目標は変わっていない。残った時間を精いっぱいやるだけ」と前を見据えた。(林原弘)

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