首位打者に迫る柳田悠岐 1分にも満たない会話から伝わってきた思い

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆日本ハム2-11ソフトバンク(20日、札幌ドーム)

 今週末にもリーグ王者が決まりそうなのは、セ・リーグだ。首位を快走する巨人の優勝マジックは既に7。最短Vは24日の土曜日、阪神戦となっており、本拠地・東京ドームで原監督が宙を舞うかもしれない。

 一方パ・リーグも、実はその翌日に決着がつく可能性が出てきた。ここにきて破竹の9連勝と勢いが止まらない工藤ホークスに、21日にも優勝マジック8が点灯する。こちらの最短Vは25日の西武戦。巨人と同じく、本拠地で歓喜の瞬間が訪れるかもしれない。

 仮にホークスは最短Vの状況にならずとも、27日からは2位ロッテを本拠地に迎えての直接対決3連戦が控える。3年ぶりのペナント奪取が地元でとなれば、勝ちに飢えた福岡のファンも喜びはひとしおだろう。

 それにしても、ここまでのラストスパートを誰が予測しただろうか。可能性が低いことは理解しているが、巨人より早く優勝したりして? なんてことまで想像してしまう。それほど今のホークスには、チームとしての勢いを感じる。

 さて、シーズン同様に熱を帯びてきたのが個人タイトルの行方だ。中でも注目するのは柳田のタイトル奪取について。この日は1打席目から右前打、右前打、右前打、左前打と自身2年ぶり10度目となる1試合4安打以上の固め打ちで、打率を3割3分8厘から3割4分5厘まで引き上げた。

 「チームの勝ちに貢献できるように、明日からも一本一本、打っていきたいです」。柳田本人にタイトル奪取の欲はさほどなさそうだが、3割5分1厘でリーグ1位を走るオリックス吉田正には6厘差に迫った。2018年以来、自身3度目の首位打者も射程圏に捉えたと言っていいだろう。

 試合のなかった19日には、札幌への移動便に乗り込む柳田と久々に話す機会に恵まれた。といっても交わした言葉は1分にも満たなかったが、そこで彼が口にした言葉に、今年に懸ける思いを感じた。「去年は野球してませんからね。今年は野球ができてます」。左脚の故障で長期離脱した昨季の苦い思いの全てを、今年にぶつけていますから-。そう聞こえた。

 だからこそ、個人的にも、チームにとっても優勝に花を添えるタイトルを手にしてほしい。過去5年、パ・リーグのリーグ制覇チームからは、打率、本塁打、打点の打撃主要3部門のいずれかでタイトルホルダーが生まれている。今年のホークスでチャンスがあるのは柳田のみ。こちらのラストスパートにも注目だ。 (石田泰隆)

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