ソフトバンクと日本ハム 明暗を分けた「地味」なプレー

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆日本ハム1-9ソフトバンク(21日、札幌ドーム)

 チーム9年ぶりの10連勝だ。ということは、当然、工藤政権初の快挙となる。勝っているから強く見えるのか。あるいは強いから勝ち続けるのか。どちらが正しいのか考えてみたが、どちらも正しいのだろうという結論に至った。それほど、ここにきてのホークスの強さは際立っている。

 この10連勝中、先制した試合は8試合を数える。そのうち7試合が追い付かれることもなく、そのまま勝ちきっている。もともと盤石な中継ぎ陣を持つだけに「先行逃げ切り」を得意とするチームではあるが、そんな野球がさらに洗練されつつあるように思える。

 また、この日のように先取点を奪われた試合は2試合、あるいは先制しながらも逆転を許した試合は1試合あるものの、いずれも3イニング以内に同点か逆転に成功するなど、劣勢に立たされる状況がほぼない。

 そんなチーム状態に、工藤監督も確かな手応えを感じ取っているようだ。「点を取ってもそこで『ヨシ』と思わず『もう1点、もう1点』と思っているところがチームにある」。優勝マジック8が点灯し、3年ぶりの覇権奪回が現実味を帯びてきたこともあり、指揮官の言葉も自然と弾んだ。

 それにしても、くどいようだがこの強さはどうしたものだ。9連勝中という勢いもあるのだろうが、1点を追う5回はまさに、いまのチームの強さが凝縮されたような攻撃ではなかったか。先頭甲斐の中前打を起点に、犠打、同点適時三塁打、勝ち越し犠飛と打者4人、わずか13球で2点を奪って逆転に成功した。

 中でも中村晃が放った勝ち越し犠飛だ。あの場面は三塁走者が周東ということもあり、普通の外野フライさえ打てばいい状況ではあったが、それを初球で簡単に打ち上げる中村晃の技術力には感服するしかない。

 結局、この一打が決勝点となった。本塁打や適時打に比べて見た目は地味な犠飛だが、これでチームの犠飛の数は12球団で唯一30を超す31個目となった。一時は総得点でリーグ1位に君臨し続ける楽天に大差をつけられていたが、気付けば8差まで迫ってきた。多く積み重ねる犠飛の効果もあってのことだろう。

 一方、犠飛の数ではリーグ2位の日本ハムだが、6回1死二、三塁の好機では大田の右飛で三走の中田が本塁憤死。同点の場面だっただけに、痛恨のワンプレーとなった。ホークスにしてみれば、見た目は地味な犠飛をここ一番で奪い、ここ一番で与えなかった。勝敗を分ける攻防となった。 (石田泰隆)

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