工藤監督就任以来の課題に終止符か ソフトバンク周東の躍動が持つ意味

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆日本ハム2-4ソフトバンク(22日、札幌ドーム)

 ノリノリのいだてんを誰も止められない。5回1死から左前打を放った周東が、大きなリードで吉田輝に重圧をかける。計3度のけん制を受けながら、中村晃への2球目にスタート。遊撃手のタッチをかいくぐる二盗を決めた。これで6試合連続のスチールで今季42盗塁目。並んでいた2011年岡田幸文(ロッテ)を上回り、育成ドラフト出身のシーズン最多盗塁記録を樹立した。

 それでも球史に名を残した24歳は「残り試合もあるし、今はチームの勝利につなげることを意識している。最後まで駆け抜けたい」。あくまで“チームファースト”の姿勢を貫く。

 バットの勢いも止まらない。初回の右翼線への二塁打を含め、10月の19試合で7度目のマルチ安打をマーク。11連勝中は打率3割6分2厘、10盗塁と出色の数字を残している。工藤監督も「1番として足を使った攻撃でチームを助けている。本当によくやってくれている」と快進撃の立役者に最敬礼した。

 工藤監督の就任以降、「1番問題」は大きな悩みどころだった。各シーズンの1番打者の起用人数は2015年8人、16年13人、17年9人、18年11人、19年10人、20年がここまで10人。昨季までの5年間の中で、1シーズンで最も多く1番で出場したのは19年の牧原で54試合だった。慢性的なトップバッター不足は数字にも表れている。

 そんな難題にようやく「最適解」が見つかりそうだ。今季、周東が1番で先発した45試合はチームで最も多い数字。現在も13試合連続で起用されている。「警戒されている中でも盗塁ができて、打率も9、10月は3割を超えている。やっと1番が固定されてきつつあるのかなと思う」と指揮官。理想的な切り込み隊長の台頭に喜びを隠さない。

 盗塁数2位のライバル西川も4回に二盗を決めたが、目の前で決め返して7個差をキープした。「僕が塁に出て走れればチャンスが生まれる。それがチームの勝ちにつながれば一番いい」。Vロードをひた走るチームと同じく、悲願のタイトル獲得に向け、いだてんはフルスロットルで突き進む。 (長浜幸治)

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