「野球できるのが信じられない」トミージョン手術から1年、大学最後の秋にドラマ

西日本スポーツ 前田 泰子

 福岡六大学野球の秋季リーグ戦(西日本新聞社後援)は24日、福岡市の福工大野球場で優勝決定戦が行われ、九産大が6-2で九共大を破り、3季連続42度目の優勝を決めた(今年の春季リーグ戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止)。

 左肘の手術から今季復帰した岩田将貴(4年・九産大九州)が、2番手で2回2/3を無安打無失点に抑えて胴上げ投手となった。

 最優秀選手賞(MVP)は九産大の船越孝志朗(4年・九産大九州)が初受賞した。九産大は11月7、8日に福岡市のSGマリンフィールド東浜で行われる九州大学野球選手権(西日本新聞社など後援)に出場する。

   ◇   ◇   ◇

 最後の打者を打ち取ったエースが、はじけるように両手を上げた。九産大が九共大を破り、昨年の春秋連覇に続く3連覇を達成した。ライバルとの優勝決定戦で最後を締めくくったのは左肘の手術から復活したエース岩田。「やはりうちのエースなので。さすがだった」と大久保哲也監督の期待に応えた。

 今季最長となる2回2/3を無安打で抑えた。2点差の7回、失策で招いた1死三塁のピンチで登板。「失策で点を取られたら相手に勢いが出る」と内角と外角をうまく投げ分けて後続を打ち取った。8、9回も抜群の制球力で三者凡退に仕留め、九共大に反撃の隙を与えなかった。「最後に2回2/3を投げられて良かった」。1年半ぶりに復帰した今季は優勝決定戦まで救援で6試合に登板。「ベストの7割」という状態ながら通算6イニングを投げて自責点0を守った。

 「1年前から考えると野球ができるのが信じられないぐらい」と振り返る。昨年8月に左肘靱帯(じんたい)の再建手術を受け、昨年の秋はリハビリに励んだ。チームと距離を置き「プロ野球も見たくなかった」と自ら野球を“遮断”した時期もある。それでもプロの夢を支えに復活を目指した。今季は球速は戻らなかったが持ち味の制球力はアピールできた。

 7連覇を目指していた春のリーグ戦はコロナ禍で開催できず、秋のリーグ戦の最中に明治神宮大会の中止が決まった。目標を見失いながらも4年生を中心にまとまり、九共大との競り合いを制した。最後の大会は来月の九州大学選手権。「今年は笑って終わりたい」と大久保監督。九州の覇者となり、笑顔で激動のシーズンを締めくくる。(前田泰子)

PR

大学野球 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング