鷹5位・田上「楽させてあげられる」母の病でプロ入り決断…涙の抱擁

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆プロ野球ドラフト会議(26日)

 伸びしろ十分の最速151キロ右腕、ソフトバンク5位の履正社高・田上は9月に乳がんの手術を受けた母由香さん(42)へ最高の親孝行を誓った。叔父はソフトバンクで2009年に26本塁打を放ちベストナイン捕手に輝くなど活躍し、現在は大産大付高で監督を務める田上秀則氏。深い縁に導かれて入団する好素材が次世代エースを目指す。

 5位で名前を呼ばれると涙を流す由香さんと抱き合った。「まさか指名されるとは思っていなかった。とにかくびっくりした」。手術後も体調が優れない母を見て、プロへの挑戦を決めた。「大学に進んだらお金もかかるし、プロならお金をもらえる。負担は掛けると思うけど、楽はさせてあげられるかなと」。高3の大きな決断だった。

 高校では外野手として1年秋からベンチ入り。投手として練習を始めたのは今年の4月ごろだった。「祖父から『大学に進んだらピッチャーをやったらええんちゃう』と言われて。自分もやってみたかった」。わずか2カ月後、6月の練習試合でいきなり最速151キロをマークした。「まだ投手としての体づくりもフォームもできていない中で150キロが出た。もっと成長できると思う」。伸びしろは無限大だ。

 叔父の秀則氏は中日から06年に移籍し、強打の捕手として活躍した。投手を務めていた中学時代にはボールを受けてもらっていたという。「いい球やなー、と言ってもらえて自信になりました」。叔父のプレーを追うようになって、ソフトバンクの野球にもひかれた。「出てくる選手、みんながすごい。試合を見ていてもワクワクする」

 目標とするのはエース千賀だ。「選手としてももちろんすごいし、マウンド上での振る舞いもかっこいい。憧れです」。投手として練習を始めてからは、ダルビッシュ(カブス)の映像を参考にカットボールなどを磨いた。「目標は最多勝。チームに貢献できる選手になりたい」。母を思う心優しき17歳は力強く言い切った。 (長浜幸治)

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