優勝争いの潮目が変わったソフトバンク「予想外」の1勝/池田親興

西日本スポーツ

 ◆ソフトバンク5-1ロッテ(27日、ペイペイドーム)

 誰もが経験のないシーズンとなったが、振り返って感じるのはベテランの方が大変だったのではということだ。プロで長くやっている選手には体に染みついているルーティンがある。開幕が遅れた上に短縮の120試合となり、どこでスパートをかければいいかは未知数となった。難しさを強いられる中で離脱することなく投げた和田は本当に素晴らしかった。

 何が正解か分からない中で入り口を間違うと失敗しかねないリスクがある。球数を制限し、疲労がたまる前に登板間隔を空けるなどベンチの配慮もあったとはいえ、和田もそれに応えた。中10日というのは意外と難しい面もあるもの。それでも自分なりに調整を工夫して結果を出したのが彼の真骨頂というべきだ。

 その和田に最も刺激されたのが、1月の自主トレをともにした笠谷ではないか。中継ぎ、オープナーとチーム事情に合わせた登板に応え、最後は自らの力で先発枠を勝ち取った。10月13日にオリックスの山本と投げ合って勝ったのはいい意味で予想外。あそこで優勝争いの潮目が変わったと言ってもいい。チームにとっても本人にとっても大きな1勝であり、来年に向けても非常に楽しみが大きくなった。

 変則日程による調整の難しさはどの球団の選手も同じ。開幕から苦しんだ松田宣が最後に状態を上げたように、歯車がかみ合いだせばソフトバンクは圧倒的だった。和田が間隔を空けた時は笠谷や板東が補い、松田宣が低迷、今宮が離脱した一方で栗原や周東、川瀬が伸びてきた。さまざまな意味の予想外が重なって制覇したところに、今年の優勝の価値がある。 (西日本スポーツ評論家)

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