15戦不敗の首位J2福岡 堅守に加え…12連勝で止まっても進撃加速するこれだけの理由

西日本スポーツ

【アビスパ取材20年超 ライター・島田徹コラム】

 アビスパ福岡の連勝は「12」で止まりました。それでも15戦負けなしの首位。2位徳島との勝ち点差を3に広げています。アビスパ取材歴20年以上のフリーライター島田徹氏(55)は、コラム「“福岡”を語ろう」第7回で、強みの堅守だけでなく、チームに順応した新戦力によって今後の得点力アップの可能性があると指摘しました。

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 25日の第29節の千葉戦を今季11度目のウノゼロ(1-0の勝利)で終えたゲームでアビスパ福岡に感じたのは、「苦しみに耐え、それを乗り越えてつかんだ強さ」でした。

 まず、第28節の町田戦をスコアレスドローで終えて連勝が「12」で止まったことを引きずることなく、安定した試合運びを披露したことに、少々のことでは揺らがないチーム総体としてのメンタルのたくましさが表れていました。

 また、追加点を狙いながら徐々に守備意識を高めていくという、集団としての意思の統一と試合運びのスムーズな移行は、強固な一体感の表れの一つと言えるでしょう。

 それからこの千葉戦では得点源であるファンマが今季2度目の警告累積で2試合の出場停止処分のため不在の中で臨み、先発としては第27節の群馬戦に続く山岸祐也と遠野大弥のペアを最前線に配置しました。

 群馬戦での経験も生かして2人の連係はさらに深まっていて、そこに移籍加入後すぐに山岸を試合で起用し続けた長谷部茂利監督による積極的な“ならし運転”の成果を感じながら、しかしそれよりも感心したのが、不慣れなコンビを前線に置きながらもチームとしてのバランスが崩れなかったことです。

 それは、第15節から第24節までの、J2では大宮と福岡しか経験していない中2日、3日の試合間隔で行われたハードな11連戦の中で実施したターンオーバー(※選手の疲労を考慮、試合ごとに先発を大幅に入れ替えること)により、選手層の厚みが増しただけではなく、異なるメンバーの中でもチームのスタイルを変わらず表現する個人とグループの順応性が備わっていたからこそ可能な調整力でしょう。

 そういったここまでの有益な蓄積ばかりではなく、この先の可能性も感じさせてくれたのが千葉戦でした。一つは決勝ゴールを挙げた松本泰志の進化による可能性です。

 2019年夏のコパ・アメリカ(南米選手権)に参戦した若手中心の日本代表に招集された松本の持ち味は配球能力ですが、パスだけではなくゴールを狙いたいとの意欲を自ら口にして、千葉戦で形にしました。

 前寛之というボランチの相棒が優れたバランサーであるおかげで松本は相手ゴール付近でプレーする機会が増え、アシストと得点を狙える選手に進化する、と予測できます。

 そして前記の山岸です。体の線は細いのですが、相手DFの圧力に負けない安定したポストプレーも可能、さらにスピードとテクニックも併せ持つ、万能タイプのFWであることを千葉戦で証明しました。

 前線に万能型のFWがいるということはチームの攻撃のバリエーションも増えるということ。松本の進化と山岸の存在により今後は「ウノゼロ」ではなく複数得点による勝利が増え、より安定した戦いができると予測しますが、皆さんはどう考えますか。 (随時掲載)

 ◆島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーに汗を流し、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

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