「1人じゃ無理だった」日本新記録の周東、背中を押した本多コーチの言葉

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆ソフトバンク4-3ロッテ(29日、ペイペイドーム)

 福岡ソフトバンクの周東佑京(24)が、飛躍のシーズンに新たな勲章を加えた。内野安打で出塁した初回に二盗を決め、プロ野球新記録の12試合連続盗塁。福本豊(阪急)が1971、74年にマークした11試合連続を塗り替えた。米メジャー記録も69年のバート・キャンパネリス(アスレチックス)の12試合連続。「令和のスピードスター」はきょう30日に13試合連続に挑む。試合はロッテに4-3で逆転サヨナラ勝ち。10月の月間20勝は球団新記録となった。

■初回に2球で決めた

 成長著しい「令和のスピードスター」が46年ぶりに球史を塗り替えた。先頭打者の初回だ。二塁内野安打で出塁した周東に迷いはない。中村晃への2球目にスタートを切り、当然のように二盗を成功。プロ野球新記録の12試合連続盗塁をあっさりと現実にした。

 「塁に出られなかったらどうしようと、めちゃくちゃ緊張した。早いうちに走って楽になりたかった。(新記録を)達成できるとは思っていなかった。何かふわふわしています」

 従来の記録は福本豊(阪急)が1971、74年に樹立した11試合連続。伝説的な「世界の盗塁王」を超えて、試合後のお立ち台では本音も漏れた。新たな歴史をつくった24歳が真っ先に感謝したのは、盗塁王に2度輝いた経験がある本多内野守備走塁コーチだった。

 2人の試合前ミーティングは入念だ。投手の癖はもちろん、配球の傾向や捕手の性格にも及ぶ。「記録を作るのは自分一人じゃ無理だった」。徹底した準備とは対照的に、試合中は必要最低限の言葉しか交わさない。その真意を本多コーチはこう説明する。

 「今は(周東の)一日の生活の中に盗塁のリズムが入っている。日常生活で歯磨きをするように。波に乗っているから、掛ける言葉は一言だけ」。それは「アウトになってもいいから走ってこい」だ。周東も「塁に出ても力まないよう、焦らないようにしてもらっている」と口にする。

■メジャー記録も「12」

 今季48盗塁で盗塁王争いを独走。チームでは2011年に60盗塁をマークした本多コーチ以来のシーズン50盗塁も目前だ。それでも師匠は「まだスタートが遅い。(日本ハムの)西川みたいに反応よくスタートできればもっと増える。昔より速い今のクイックでセーフになるんだから、僕の60盗塁なんて余裕」とさらなる高みを求める。

 11試合連続盗塁をマークした28日に、福本氏に「(記録は)破ったらいい。破ってどこまで続けられるか」とエールを送られた。「福本さんは雲の上の存在というか、伝説的な人。気に掛けてもらえて素直にうれしい」。そう謙遜した24歳が、「昭和のレジェンド」にどこまで迫れるか-。楽しみは尽きない。 (長浜幸治)

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