長期活動休止の大学強豪柔道部主将「我慢した」仲間に感謝の講道館杯へ

西日本スポーツ 末継 智章

■講道館杯きょうから

 柔道の講道館杯全日本体重別選手権が31日と11月1日の両日、千葉市の千葉ポートアリーナで行われる。新型コロナウイルスの感染拡大後、柔道では初となる全国規模の大会で、男子100キロ級には後藤龍真(東海大4年)=熊本県合志市出身=が出場予定。主将を務める東海大が5カ月半も活動休止となり、大学の主要大会も軒並み中止になった悔しさなどをのみ込み、目標の2024年パリ五輪に向けて再出発する。

■学生大会相次ぎ中止

 大学最後の年に、連覇を目指した全日本学生優勝大会も全日本学生体重別団体優勝大会も新型コロナウイルスの影響で中止になった。「悔しいけど、引退する同級生が多い中で自分には講道館杯がある。4年後のパリ五輪を狙っているので、ここで結果を出す」。後藤は東海大の看板を背負って闘う残り少ない機会でのブレークを誓った。

 昨年の団体2冠に主力として貢献。今年1月に強豪校の新主将に就任したが、コロナ禍で4月から5カ月半も活動休止になった。他の大学が7月ごろから活動を再開する中、部の方針で自粛期間が長く、寮も閉鎖。後藤は故郷熊本などで我慢の日々が続いた。

 「精神的にきつい時もあったけど、焦っても仕方ない。柔道家である以前に一人の人間として考えたとき、今は柔道をやるべきではないと我慢した。限られた環境で何ができるか。目標を見失わず考えた」と実家の庭にぶら下げているロープを登るなど筋力アップに取り組んだ。さらに東海大OBで東京五輪代表のウルフ・アロン(了徳寺大職)ら同じ階級の選手の試合映像を見返し「技の幅を広げるためにも担ぎ技が必要」と一本背負い投げを試し始めた。

■地震被災体験生きる

 4年前に熊本地震で被災した体験が生きている。地震直後は全壊した母の実家を片付けるため、自宅から約20キロを走って通った。主将を務めていた鎮西高も道場のある体育館が損傷、入れなくなったため熊本市内の道場や県内外の高校、大学で出稽古を続けた。「当時も今回も共通するのは我慢。4年生を中心にSNS(会員制交流サイト)を通じて目標を見失わないよう声を掛けた」

 東海大では9月中旬の再開後も一度に道場へ入る人数を30人に絞るなど対策を徹底。部内から感染者を出さずにいる。練習量の少なさによる不安はあるものの、後藤は弱音を吐かない。「引退してしまう4年生も含め、誰ひとり羽目を外さず柔道部のことを最優先してくれた。感謝している」と我慢してくれた仲間の思いも背負って闘う。 (末継智章)

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