ソフトバンク周東「世界」を知って磨いた打でメジャー超え 13試合連続盗塁

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆西武3-4ソフトバンク(30日、メットライフドーム)

 前夜にプロ野球新記録となる12試合連続盗塁を達成した福岡ソフトバンクの周東佑京内野手(24)が、7回に二盗を決めて自らの記録を「13」に更新するとともに、1969年にバート・キャンパネリス(アスレチックス)がマークした米メジャー記録をも上回った。まさに「世界の周東」。チームも東浜の力投などで西武に勝ち、10月を月間21勝でプロ野球記録に並んだ。強いホークスが球界の歴史を次々と塗り替えていく。

 スタートからスライディングまで、周東の動きには一瞬のよどみもなかった。米大リーグ記録を上回る13試合連続盗塁を決め、日米最長記録を達成。約1年前、侍ジャパンの一員として世界を驚かせた男が、正真正銘「世界の周東」になった。

 プレッシャーのかかる場面だった。試合終盤の7回、ここまで出塁のなかった周東が左前打を放った。この日最初で最後のチャンスとなりかねない状況。しかも相手投手は二盗するのが難しいとされる左腕の小川だった。周東も「クイックが速い投手」と口にする難敵だったが、「出塁したら走ろうと思っていた」と決意は固まっていた。

 計3度の巧みなけん制を受けながらも、中村晃への3球目にスタート。小川のクイックは1秒1台前半の好タイムを記録したものの、誰が見てもセーフと分かる完璧な二盗だった。チームでは2011年の本多(現内野守備走塁コーチ)以来となる50盗塁にもリーチをかけた。

 「思い切っていった。成功してよかった」。米大リーグの連続試合盗塁記録は1969年にキャンパネリスがマークした12試合。福本豊(阪急)が持っていたプロ野球記録を塗り替えたばかりの24歳が、海の向こうの偉大な記録も超えた。

■24歳有言実行

 育成から支配下登録を勝ち取った7カ月半後、周東は世界に自慢の足を見せつけた。2019年11月に開かれた国際大会「プレミア12」。走塁のスペシャリスト枠として選出された男は大会最多の4盗塁をマーク。一躍時の人となったが、「まだまだやれたところはある。大会が終わった時にそう思った」。走塁以外の部分では力不足を痛いほど感じていた。

 年が明け1月の自主トレは、当初予定の東京五輪まで残り半年というタイミング。景気のいい言葉を期待する報道陣の思惑とは異なり、周東は努めて冷静だった。「スペシャリスト枠という位置づけのままなら、五輪に出られない。まずはチームで試合に出続けないと。今の実力でレギュラーが取れるとは思っていないし、そこをつかまないと五輪には選ばれないと思う」と言い切った。

 世界の舞台を知ったことでより高みを見据えるようになった。コロナ禍での自主練習期間もシーズン中も汗を流し続けた。そうして得た打力は必然的に出塁率の向上にもつながり、再び世界を驚かせる快挙を導く原動力となった。「あしたも試合がある。あまり浮かれないように。チャンスがあれば記録を伸ばしていきたい」。変わらず謙虚な男は、1年前に掲げた「脱スペシャリスト」の道を猛スピードで進んでいる。 (長浜幸治)

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