コロナ禍の短縮日程で「正直いけると思わなかった」 ソフトバンク森50試合登板を続けられた理由

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ロッテ3-4ソフトバンク(3日、ZOZOマリンスタジアム)

 どんな記録よりもこだわっている節目に、今年も到達した。「そこは続けているので、1番うれしい」。7年目の森が新人年から続けるシーズン50試合登板を今年も伸ばした。球団では前身ダイエー時代の吉田修司(1998~2003年)の6年を上回る球団新記録。通算100セーブ、100ホールドを達成したシーズンで、鉄腕がまた新たな勲章を手に入れた。

 スタンドのファンがコートを着込むほど冷え込んだZOZOマリンスタジアムのマウンドに、森はいつもと変わらず半袖姿で上がった。1点リードの場面に鼓動も高鳴る。先頭藤岡をフォークで見逃し三振に仕留めると、代打鳥谷、荻野にも気持ちよくスイングさせず三者凡退。リーグトップの西武・増田の33セーブを追走する31セーブ目を挙げた。

 “ノルマ”達成に最もハードルが高かったシーズンだ。コロナ禍によりシーズンは例年より23試合少ない120試合制となった。この決定を知った時は「正直、いけると思っていなかった」と振り返る。

 突き動かしてくれたのは、若手の存在だった。先発からの転向でチーム最多の51試合に登板している高橋礼や、勝ちパターンでも投げるようになった泉の台頭。「若い選手に負けられない」という闘争本能に火が付いた。

 生粋の投げたがり。10月10日のロッテ戦から球団15年ぶりの12連勝の期間中は投打ががっちりかみ合い、その間の森の出番はわずか3試合。「投げたくてうずうずしていた」。自らを死ぬまで泳ぎ続けるマグロに例える右腕は、当時の心境を明かす。

 うずうずする心を解き放ったのは27日のロッテ戦。5点リードの9回に1点を失いなお2死満塁のピンチを招きながら、最後は福田秀を二ゴロに仕留めた。クローザー3年目にして、初めてリーグ優勝が決まった瞬間をマウンドで迎えた。「緊張したけど、やっぱりうれしかった」。また、投げることのとりこになった。

 目指す高みがある。「上には上がいる。行けるところまで行きたい」。まだ道半ば。50試合登板を15年続けた元中日の岩瀬氏や、13年継続中の日本ハム宮西のように、語り継がれるリリーバーになることを思い描いている。 (鎌田真一郎)

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