勝ち続けるソフトバンクの強さを象徴 なかなかお目にかかれない光景

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ロッテ3-4ソフトバンク(3日、ZOZOマリンスタジアム)

 14日から始まるクライマックスシリーズ(CS)。3年ぶりにリーグを制したホークスの相手がどこになるのかファンは気をもんでいるだろうが、2位以下のロッテ、西武、楽天が僅差の戦いを繰り広げているだけに気長に待つしかない。

 このままいけばシーズン最終戦までもつれる可能性が高い。ロッテは残り5試合中2試合、西武は残り5試合中1試合のホークス戦を残しており、CS争いの鍵はホークスが握っていると言えよう。ちなみに楽天は残り4試合で対ホークス戦0という状況だ。

 とはいえ、どこが相手でも厳しい戦いが待つことは容易に想像がつく。シーズンでは結果的に2位以下を大きく引き離して覇権を取り戻したが、短期決戦はまた「別物」だ。シーズン終盤のような投打ともに歯車がかみ合う試合は、そう期待できることではない。

 それを誰より把握しているのが、工藤監督だ。この日の試合前、残り試合の戦い方について聞かれると「CSを見据えての戦いになる。しっかりいい戦いができるようにとは、コーチのみんなにも伝えてある」と語っていた。監督就任後、短期決戦での敗退は2016年のCSファイナル(対日本ハム)しかないだけに、発する言葉も重い。

 その思いを、選手も共有しているのだろう。そう感じたのが集中打を見せた6回の攻撃中だ。3点を追い、1死一、二塁の場面。ここで4番のグラシアルがボテボテの三ゴロを放った。

 打球は三塁ベース付近に転がったこともあり、捕球した安田はベースを踏んで2死とし、さらにその勢いを借りるように一塁へ力強く送球しての併殺を狙ってきた。しかし、グラシアルが全力で一塁を駆け抜けたことでセーフとなった。

 この全力疾走が効いた。併殺打となっていればこの回は無得点で終わっていた。グラシアルが一塁に残ったことで一挙4得点につながり、チームに逆転勝ちを呼び込んだ。

 何がすごいかって、チームは既に優勝を決め、あえていえば勝敗を気にする状況にない。ましてや個人タイトルがかかっているわけでもないのに、一本の凡打であれだけの走塁を助っ人外国人が見せる。これはなかなかお目にかかれない。ここに、このチームの強さが凝縮されている。

 試合後、工藤監督は言った。「CSもありますので。しっかりした戦いをしないといけない」。優勝後、チームは5勝1敗。抜かりなく、準備を進める。 (石田泰隆)

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