人口5000人の島、唯一の高校が甲子園へ 大躍進の背景は

西日本スポーツ 前田 泰子

 ◆高校野球秋季九州大会準々決勝 大崎3-2延岡学園(3日、長崎県営野球場)

 長崎県西部に浮かぶ大島から甲子園へ-。延岡学園を1点差で破り、大崎が初の4強入りを決めた。「思った通りというか、あまりにもうまくいき過ぎた。生徒が信じてやってくれた」。2018年4月に就任した清水央彦監督は振り返った。

 1点を追う6回にナインの執念が爆発した。5回まで散発3安打の打線が3安打を集めて3点を奪って逆転。エースの坂本安司(2年)は8回に1点差とされたが、9回は3人で締めて完投。選抜大会初出場へ大きく近づく勝利を手にした。

 人口約5000人で、九州本土の西彼杵半島とは橋でつながる大島にある唯一の高校。「西海市から甲子園に」という地元の後押しを受け、同県の清峰や佐世保実を指導して甲子園に導いた清水監督の下で、野球部の強化がスタート。徐々に地元の有力選手が集まるようになった。

 昨秋も九州大会に駒を進め、今夏は長崎県の独自大会で優勝。全校生徒は114人で、野球部には現在1、2年の計29人が在籍。全員が合宿生活を送る。清水監督は「就任決定時の部員は5人」と振り返るが、今や元気に練習する野球部は高齢化が進む町の希望だ。

 「練習を見に来たおじいちゃんやおばあちゃんに『頑張って』と声を掛けられます」。坂本が感謝するように、この日も大島から約300人がスタンドに駆けつけた。清水監督も「皆さんのために結果を出したい。それだけでした」と話す。

 「4強を目指してやってきたのでいろんなことがこみ上げた。勝って地元の人たちに恩返ししたい」。坂本は誓った。準決勝は昨秋の覇者明豊との対戦。初の決勝進出にはエースのベストピッチが欠かせない。 (前田泰子)

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